油絵のオイル(画溶液)を工程ごとに解説【初心者が揃えるべきオイル】

  • 油絵のオイルのことが知りたい。
  • どんなオイルがあるのだろう?いっぱいありすぎてわからない。
  • 必要最低限使うオイルが知りたい。
  • できれば制作工程と絡めて教えてほしい。

こういった疑問に答えます。

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油絵のオイル(画溶液)を工程ごとに解説

油絵のオイル(画溶液)を工程ごとに解説

それでは最速まいりましょう。

油絵の制作における工程ごとに使うオイル(画溶液)は以下です。

表にまとめました。

工程/オイルのこと 使うオイル(画溶液)・その他 役割 状態
下書き フィキサチーフ 下書きの定着 すぐ乾く
描画・下塗り 揮発性油 ・乾燥促進
・絵具の伸びを良くする
・構図や下地を決める
・全て蒸発
・乾きやすい
・艶なく画面カサカサに
描画・描き始め(中塗り) ・揮発性油
・乾性油
・調合溶き油
割合:揮発性油>乾性油(調合溶き油)
・顔料と支持体の定着の下地作り 乾きにくい
描画・仕上げ ・乾性油
・調合溶き油
・揮発性油
割合:乾性油(調合溶き油)>揮発性油
・乾性油、調合溶き油…絵具の伸びを良くする
・練り具合の調整
・顔料の支持体への定着を強める
・艶を与える
・乾きにくい
・乾性油はとろみがある
仕上 仕上材 ・画面の保護
・艶の調整
・艶が出る
・艶を抑える
掃除 剥離剤 ・仕上材の剥離
・刷毛の掃除
 

基本は上記でOKです。

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油絵のオイル、初心者が必要最低限揃えるべきオイル(画溶液)

油絵のオイル、初心者が必要最低限揃えるべきオイル(画溶液)

初心者が下塗りの段階から油絵を描く人は、描画の描き始めから仕上げまで全て調合溶き油で油絵の具を溶いて描くだけでも、油絵は描けます。

調合溶き油は、精製アマニ油、合成樹脂、石油系溶剤、乾燥剤などバランス良く配合されたオイルです。

オイルに迷ったら、まずは調合溶き油を一本用意しましょう。

油絵のオイル、中級者が必要最低限揃えるべきオイル(画溶液)

油絵のオイル、中級者が必要最低限揃えるべきオイル(画溶液)

結論、中級者が油絵で画面保護まで行う場合は8つです。

具体的には…

  • フィキサチーフ→下描きの定着用
  • 揮発性油→下塗り用
  • 調合溶き油→中塗り、仕上げ描き用
  • 乾性油→中塗り、仕上げ描き湯用
  • 筆洗油→製作途中の筆洗い用
  • ブラシクリーナー(水性)→制作後の筆洗い用
  • タブロースペシャル→指触乾燥の段階の画面保護用
  • 剥離剤→タブロースペシャル除去用

以上です。

上記は画面保護までを想定した内容です。

中にはオイルと呼べるのか曖昧なものもありますが、これぐらい揃えると制作以外のお手入れまでできてしまいます。

これらを揃えることが面倒は場合は、油絵を描くことを諦めましょう。それぐらい油絵の道具や材料は多くを揃える必要があります。あなたが油絵制作を続けていくためにはこれらぐらいはあったほうが良いです。

とはいえ、制作していて不要だと思うものはカットできます。

例えば、

  • 調合溶き油だけで描き続ける場合、乾性油不要
  • 下描きが必要ない場合はフィクサチーフ不要
  • 筆洗油は代用がきくから筆洗油不要
  • 画面保護が必要ない場合はタブロースペシャルと剥離剤は不要

以上を省いていくと、

  • 揮発性油→下塗り・筆洗油兼用
  • 調合溶き油→中塗り、仕上げ描き用
  • ブラシクリーナー(水性)→制作後の筆洗い用

ということで、シンプルにただ油絵を描き続けていくということであれば、3つ程で済みます。

どの段階まで油絵を制作するのかによって必要なものは変わってきます。

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油絵のオイル【具体名】

油絵のオイル【具体名】

ここからはより具体的なオイルを紹介します。初心者にはまだ必要ないものもありますが、どんなものかだけ覚えておくと良いです。使うときになったら調べれば良いです。

油絵制作途中で使う筆洗浄のためのオイル

油絵制作途中で使う筆洗浄のためのオイルは、「筆洗油」です。

製作途中で色を替える時は、筆をこまめに洗浄しましょう。

理由は、色の濁りを抑えるため、筆を長持ちさせるためです。

水彩絵具では筆を水で洗うように、油絵具はオイルで筆を洗います。

工程 オイル(画溶液) 役割 特徴
描画途中 ・無臭クリーナー
・ブラシクリーナー
油絵制作途中の筆の洗浄 石油系の筆洗油

描画中、油絵具と混ぜる艶の調整・乾燥促進のためのオイル

こちらは、油絵制作中に油絵具と混ぜて使う艶の調整・乾燥促進のためのオイルです。絵具の固着を良くし、乾燥も速くなります。単独での使用可能。

工程 オイル(画溶液) 役割
描画途中 パンドル ・描画用のワニス
・艶の調整
描画途中 ホワイトシッカチーフ
ブラウンシッカチーフ
・乾燥の調整
・乾燥促進剤

以上です。

艶の調整・乾燥を早めるためのオイルは、初心者の人は買わなくても油絵制作は可能です。

理由は下記です。  

  • 艶の調整は仕上材でできる
  • 乾燥促進には揮発性油を調整する

以上です。

ただし揮発性油は乾性油に対して、油絵制作の前半は多く、後半は少なくする決まりを守りましょう。乾性油の割合が増えていくことによって絵具が定着しやすい画面になるからです。

なので、はじめのうちは特になくても大丈夫です。

描画中、油絵具と混ぜない艶の調整のための画溶液

説明は以下の表です。

工程 オイル(画溶液) 役割 特徴
描画途中 ルツーセ 修正用のワニス ダンマル樹脂をペトロールで溶いたもの

  以上です。これも初心者には特に必要ないかと。

完成後の画面保護に使う画溶液

画面保護は初心者でも行いましょう。

理由も含め以下の表にまとめました。

工程 オイル(画溶液) 役割 特徴
完成後 タブロースペシャル ・画面の保護
・ホコリなどから守る
・艶の調整  
・臭いがある
・艶がある
指触乾燥で塗布可
・刷毛につくと洗っても落ちない
完成後 タブロー ・画面の保護
・有害なガス、ホコリなどから守る
・艶の調整
油絵完成から半年以上乾燥させた後に塗る

せっかく油絵を描くなら、作品として残したいのが心情かと。自分が描いた絵を綺麗な状態で保存できる仕上材は塗っておいて損はありません。

ただし、完成で「これ以上加筆しない状態」で塗りましょう。

おすすめはタブロースペシャルです。

理由は…

  • 指触乾燥した時に使える
  • 半年またなくても良い
  • 後日タブローに塗り替えられる

上記のような感じです。

タブローを塗らなくとも、タブロースペシャルのまま完成としてもOKです。

制作後の筆やナイフなどの洗浄の画溶液

制作後はブラシクリーナーか市販の石鹸を使って、筆やナイフなどを洗いましょう。

工程 オイル(画溶液) 役割 特徴
その日の制作後 ブラシクリーナー 筆やナイフの洗浄 水性

上記のとおりです。

おさらいですが、

上記のとおりです。

使い方を逆にしないように注意しましょう。

汚れ対策のオイル(画溶液)

結論、「剥離剤」はタブロースペシャルを使ったら必須です。

理由は、筆や容器についたタブロースペシャルは水や石鹸では落ちないからです。

仕上材で塗った後の容器や筆にはタブロースペシャルが付着しています。普段どおりにブラシクリーナーで筆を洗っても落ちません。

ですが、剥離剤なら筆や容器についたタブロースペシャルを除去することができます。

なので、タブロースペシャルを買ったら剥離剤を揃えましょう。ただし、取り扱いには気をつけましょう。

工程 オイル(画溶液) 役割 特徴
・画面保護材の洗浄時
・筆、ナイフ等に絵具が固着した時
・剥離剤 ・筆についたタブロースペシャルの除去
・筆、ナイフに固着した絵の具の除去
・素手では触れないものもある(しびれる)
・ゴム手袋着用
・取扱注意

以上です。

剥離剤の代表的なものは、「ストリッパー」です。ストリッパーとは他の剥離剤もあります。

違いは、ストリッパーは即効性があり、液状のタブロースペシャルや絵具はすぐにストリッパーに溶け出します。その代わり、指で触れるとしびれるのでゴム手袋などをして皮膚を守る必要があります。

その他の剥離剤は即効性がなく、剥離させたい箇所に塗ってしばらく放置する必要があります。ただし、ストリッパーよりは人体に優しいです。

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まとめ

  • 油絵で使うオイルは最低調合溶き油あれば仕上げまでできる
  • 描画のオイルは主に3種類(揮発性油、調合溶き油、乾性油)
  • はじめて使う場合は本を読んだり、インターネットで調べたり店員さんにやりたい技法と使い方を聞いてみよう

描画のオイルの使い方は、本を読んでもインターネットで検索しても今回のような内容のことが描いています。なので、この描き方で油絵を描けば正しい描き方で油絵が描けます。

ぜひまだ油絵を描いていない人は、挑戦してみてください。あなたがやると決めたら、その時がスタートです。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございます。

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