今回は、結婚パーティーの余興演奏の風景を描いてみました。

支持体:板に油絵
Size:23×22㎝
鉛筆や転写などの下書きはなしで、いきなり筆から描いています。
ただし、最初揮発性油と油絵の具で、大体の位置を確認してから色を塗っています。
制作の途中で位置が違っていたので修正もかけました。
以下より
- 筆さばき
- 形
- 構図
- 色
などの観点から解説しています。
よろしければご覧ください。
- 筆さばき→柔らかめのナイロンを使ってペインティングオイルをやや多めにして筋を作りながら彩色
- 形→特に大きな変更はせずに写真そのままを表現
- 構図→正方形構図で中心へ向かい、動きが止まる→ここではピアノの女性が中心に位置する
- 色→黒がメインだが、筆跡が残るようにした。
筆さばき

今回は、柔らかめのナイロンを使って描いていきました。
その理由は、筆跡やストロークを残したかったからです。
筆跡やストロークを残すことで、単調にならずに動きが作れるからです。
また、勢いがついて活気のある絵を作ることができると思っています。
やり方
筆跡やストロークを残すやり方は、簡単でペインティングオイルを多めにして油絵の具をつけて塗ることです。
それによって簡単に筆跡を残すことができます。
ただ、注意点としては一度塗った箇所にはあまり手を加えないほうが良いです。
その理由は、何度も同じ箇所を塗ることで、色が馴染んできてベタ塗りになってしまうからです。
ベタ塗りになると単調になってしまうため、面白みがなくなってしまいます。
たまに色を少し変えて塗っていけば、単調にならなくて済みます。
形

暗がりの演奏のため、ほぼ黒で占めています。
形も単純なものが多く、比較的描きやすかったです。
いつも迷うことは、顔の表情を描き込むかどうか。
今回は、単純な線で描いてみました。
構図

この絵はほぼ正方形構図です。
絵を描く人の目的は、「鑑賞者に長く絵を見てもらうこと」です。
正方形の構図の絵は、縦長構図・横長構図とは違い、特に動きがないのが特徴です。
また、動きが中心に向かって集まっていきます。
そして、動きが止まる傾向があります。
この絵の中の中心は、ピアノを弾いている女性です。
または、左側の二人の演奏者の影となります。
上記のように、正方形構図は動きが止まる傾向にあるので、絵の中の物の中から動きを作っていく必要があります。
今回の絵の動きとしては、右手前の一本のろうそくからギター演奏者→ピアノ演奏者→二人の演奏者の影→照明という導線をイメージしています。
正方形構図としては、動きが止まるので「結婚パーティー余興のゆったりとした空間」とすることもできます。
ですが、徐々に絵の奥に引き込んでいきたいのであれば、縦長構図の方が効果的かもしれません。
ただ、ライトによって半円がピアノ演奏者を中心に目立たせる効果もありそうなので、より静止している様子が映えるとも言えます。
色

ここで使った大きな色は、以下です。
- 茶色
- オレンジ
- グレー
- 白
- 黒
- 赤
- クリーム色
- 黄緑色
- 青色
この絵は黒色がメインです。
ですが、ベタ塗りになって単調にならないように、角度を変えたり色味を変えたりしました。
ピアノ上の照明の上に、照明によって反射する光を筆で放射状に描いています。あまり撫ですぎると雰囲気が出ないため、適当なところで手を止めました。
まとめ
- 筆さばき→柔らかめのナイロンを使ってペインティングオイルをやや多めにして筋を作りながら彩色
- 形→特に大きな変更はせずに写真そのままを表現
- 構図→正方形構図で中心へ向かい、動きが止まる→ここではピアノの女性が中心に位置する
- 色→黒がメインだが、筆跡が残るようにした。
前回に引き続き、形の単純化、構図を考えた制作を心がけました。
色は、黒と白も使ったため彩度の幅が大きかったと思いますが、雰囲気を考えながら制作をしていきたいと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。