油絵の筆の選び方7つ|初心者が困らない最初の買い方

こんにちは、内向型ミニマリスト画家のタケシです。

油絵を始めたいと思って筆を探し始めると、けっこう早い段階で迷ってしまうと思います。

豚毛、ナイロン、平筆、丸筆、フィルバート。名前はたくさん出てくるのに、初心者の自分には何が違うのかがわかりにくいからです。

僕も最初は、「とりあえずたくさん入っているセットのほうが安心かな」と思いました。

でも実際は、本数や種類が多すぎると、描く前に迷ってしまうんですよね。初心者はまず目的をはっきりさせることが大切です。また、本数が多すぎると混乱しやすいです。油絵は3〜5本くらいあれば1枚描くことができます。

この記事では次のことをお伝えします。

この記事のざっくりとした結論
  • 油絵初心者の筆選びは、種類を覚えるより「何を描きたいか」から決めるほうが失敗しにくい
  • 最初は3〜5本くらいでも十分始められる
  • 筆は作品を描きながら必要なものを足していくと気が楽

もし続きが気になる場合は、記事を読み進めてみてください。

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★もくじ★

1. 油絵の筆選びで初心者が最初に迷う理由

油絵の筆選びでつまずくのは、あなたに落ち度があるからではありません。
単純に、最初に入ってくる情報が多すぎるからです。

筆は「形状」「毛の種類」「サイズ」で選ぶ必要があるので、初心者からすると一気に全部把握するのはしんどいし、迷います。
ここでは、まず「なぜ迷うのか」を整理して、頭の中を軽くしていきます。

1-1. 名前が多くて違いがわかりにくい

最初に覚えることが多すぎるのが、迷いの正体です。

油絵の筆には、丸筆、平筆、フィルバート、扇筆など形の違いがあります。さらに、豚毛のような硬めの毛、ナイロンや馬毛など比較的やわらかい毛もあります。検索上位でもこの整理が基本になっています。

でも、初心者のときに本当に知りたいのは「定義」よりも、
で、私は何を買えばいいの?」
ここなんですよね。

僕も最初は用語を見て、「ちゃんと理解してから買わないと失敗しそう」と焦りました。けれど、あとから思うのは、最初から全部わからなくて普通だということです。
むしろ、最初は次の3つだけで十分です。

  • 広く塗る筆
  • 細かく描く筆
  • その中間の筆

これくらいの感覚で入ると、かなりラクになります。

1-2. セット商品が多く、何が必要かわかりにくい

セットが多いほど、初心者は逆に迷いやすいです。

初心者はまず、筆を買う目的をはっきりさせるべきです。描きたい絵が決まっていないまま買うと、思った通りの絵が描けず、挫折の原因にもなりやすいからです。

セット商品って、たくさん入っているとお得に見えますよね。
でも実際には、

  • 使わない形が入っている
  • どれから使えばいいかわからない
  • 使い分けが増えて疲れる

こうなりやすいです。

私は「持っていれば安心」と思って本数の多いものに目が行きました。
でも、いざ描こうとすると「今日はこれかな、いやあっちかな」と迷い、手が止まりました。
始めたばかりの時期って、筆の性能差を楽しむ段階というより、描くこと自体に慣れる段階なんですよね。

1-3. 「失敗したくない」が強いほど手が止まりやすい

本当の失敗は、合わない筆を1本買うことより、描き始められないことです。

初心者ほど「せっかく買うなら失敗したくない」と思います。
その気持ちはすごく自然です。
ただ、油絵は実際に描いてみないと、自分がどんなタッチが好きか見えてこない部分があります。

つまり逆に言うと、描きたい絵の方向が少し見えてからのほうが選びやすいんです。

だから最初のゴールは、完璧な筆を当てることではなく、
迷いすぎずに描き始められる筆を選ぶこと
ここにしておくと、ずいぶん前に進みやすくなります。

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2. 油絵初心者の筆の選び方7つ

筆選びは、覚えることが多そうに見えて、実はそこまで複雑ではありません。

まずは描きたい絵・形・毛の硬さ・サイズ・本数の順で考えると整理しやすいです。

2-1. 描きたい絵の雰囲気から逆算する

先に筆を決めるより、描きたいモチーフを先に決めるほうがラクです。

または、好きな画風の画家を探して、その筆跡からどんな筆を使っていそうか推測するという手もあります。
これは初心者にかなり合っています。

たとえば、

  • 筆跡を残したい → 豚毛寄り
  • なめらかに塗りたい → やわらかめの筆が必要
  • 細かく描きたい → 穂先がまとまる筆が必要

こうやって考えると、いきなり「筆の種類一覧」を見なくて済みます。

私ならここで、スマホの保存画像を3枚くらい見返します。
「この絵の何が好きなんだろう」と考えると、意外と

  • ざっくりしたタッチが好き
  • 肌はなめらかなほうが好き
  • 服のシワははっきり描きたい

みたいに、必要な筆の方向が見えてきます。

2-2. まずは形をしぼる

初心者は、平筆・フィルバート・丸筆の3系統で十分です。

これらの形状は基本として扱われています。特にフィルバートは初心者に使いやすいようです。

それぞれの用途をざっくり言うと、

  • 平筆:広い面を塗りやすい
  • フィルバート:角が出にくく初心者向き
  • 丸筆:細部や線向き

です。

この中で最初の軸にしやすいのは、フィルバートだと思います。
理由は、平筆のように広く塗れて、丸みも出しやすいから。
「何でもそこそこやれる」のが強いです。

油絵筆 フィルバート 2号
油絵筆 フィルバート 6号

2-3. 毛の硬さで選ぶ

迷ったら、最初の軸は豚毛で大丈夫です。

画材屋さんでは、油絵具は粘りがあるため、弾力と耐久性のある豚毛が代表格だとされています。その他、豚毛は弾力が強く、まとまりやすく、比較的手に取りやすいです。また、硬い絵の具をそのまま付けて描けるくらいコシが強いです。

一方で、細かいところや、毛先のまとまりがほしいときはナイロン系も便利です。
つまり最初は、

  • メイン:豚毛
  • 補助:ナイロン1本

このように揃えても良いですね。

ただし、あなたが描きたいモチーフを優先して筆を選んでくださいね。

2-4. サイズは0〜12号前後を目安にする

最初は極端に大きい筆も、極端に細い筆もいりません。

自宅で描く小さめ作品なら、筆は0〜12号あたりが目安となり、初心者向けなら0・2・4・8・12号くらいあればOKです。

ここは厳密じゃなくて大丈夫です。
それぞれの役割として、A4サイズくらいの小さめの支持体なら、

  • 0号〜2号:細部
  • 4号〜8号:中間
  • 10号〜12号:広い面

くらいの感覚で十分です。

初心者ほど細い筆を選びたくなるんですが、広い面を小さい筆で塗ると、時間もかかるし疲れやすいです。
ここは少し大きめのものを持っておくと、かなり描きやすくなります。

2-5. 最初から本数を増やしすぎない

本数を増やすより、迷いを減らすほうが大事です。

数が多すぎる筆セットは初心者にはおすすめしません。3〜5本あれば描けるし、迷いによる心と時間の消耗のほうが大きいからです。
僕は心配だから「たくさんあれば安心」と思った側なんですが、実際は安心より迷いが増えました。
特に家事の合間に描く人は、選択肢が多いほどしんどいです。

最初の本数は、
3本か、多くても5本くらい。
これで十分始められます。

2-6. セットは「試すため」に使う

セットは万能だから買うのではなく、比較するために買うと失敗しにくいです。

「複数の形+複数の大きさ」のスターターセットが、描き方を試しながら進める人に向いています。

つまりセットの役割は、
「これで一生いける」ではなく、
自分に合う筆を見つける最初の実験道具

この見方にすると、買い物のハードルがかなり下がります。

油絵筆スターターセット 6本組

2-7. 迷ったらフィルバート中心で始める

一本目に迷ったら、フィルバートはかなり外しにくいです。

フィルバートはフラットを使い込んだ形を最初から作ったようなもので、特に初心者に使いやすいとされています。画材屋さんでも、下描きから仕上げまで使いやすいと紹介されています。

広く塗れるのに角が立ちすぎず、丸筆ほど用途が狭くない。
だから「何を買うか迷う」の答えとしてかなり強いです。

油絵筆 フィルバート 2号
油絵筆 フィルバート 6号

3. 初心者が最初にそろえたい筆の組み合わせ

3-1. 最低限なら3本

まず始めるだけなら3本で十分です。

おすすめはこの組み合わせです。

  • 豚毛フィルバート 8号
  • 豚毛フィルバート 4号
  • ナイロン丸筆 0号 もしくは 2号

これなら、

  • 広い面
  • 中くらいの面
  • 細部
    を一通り触れます。

「もっと必要なんじゃ…」と思うかもしれませんが、最初はこれで十分描けます。

3-2. 安心して始めるなら5本

迷いを増やさず、少し余裕を持つなら5本くらいがちょうどいいです。

おすすめは、

  • 豚毛フィルバート 10号
  • 豚毛フィルバート 6号
  • 豚毛フラット 4号
  • ナイロン丸筆 2号
  • ナイロン丸筆 0号

この形だと、広い面を塗るときも、細部を整えるときも動きやすいです。
「最初から全部そろえる」より、最初の不便が少ない最低限という感じです。

ちなみに私は、平筆をメインに使っていて、

  • ナイロン平筆 12・8・4号
  • ナイロンフィルバート2号

を使っています。

4号は2本使って絵を描いています。

油彩筆 豚毛 フィルバート 10号
油彩筆 豚毛 フラット 4号
油彩筆 ナイロン毛 ラウンド 0号

3-3. 細かく描きたい人が1本足すならこれ

人物の目や髪、サインまで気になるなら、穂先がまとまる細筆を1本足すとラクです。

細部描写や線描に、まとまりの良い筆が便利です。
ここは無理して最初から高級筆でなくても大丈夫ですが、細部をよく描く人は1本だけでも変わります。

油彩筆 コリンスキーサイン用 1号

4. 油絵の筆選びでよくある失敗

初心者の失敗は、センスの問題というより、買い方の順番の問題です。

ここを先に知っておくと、かなりラクになります。

4-1. 本数が多いセットを先に買う

本数が多いほど安心、とは限りません。

逆に本数や形が多すぎると混乱しやすく、迷う時間の消耗が大きいです。
私は、これはかなりあると思っています。

そしてたくさん入っていると「全部活用しなきゃ」と思ってしまうんです。そして、使いこなせない自分に自己嫌悪になります。
でも初心者のうちは、使いこなすより、まず少なく持って描く習慣を作るほうが大事です。

4-2. 細い筆ばかり選ぶ

細い筆だけだと、思った以上に進みません。

初心者は細部が気になるので細筆に目が行きやすいです。
でも、広い面を小筆で塗ると時間がかかるし、疲れます。
広い面には、中〜大の筆が必要です。

4-3. 水彩感覚でやわらかすぎる筆を選ぶ

油絵具の粘りを受け止められる筆が必要です。

画材屋さんでは、油絵具は独特の粘りがあり、豚毛のような弾力と耐久性が向くと説明されています。
逆に、ナイロンはそのまま硬い絵の具を付けるとダメージが出やすいので取り扱いには注意が必要です。

つまり、やわらかい筆が悪いのではなく、使いどころがあるということです。

4-4. 何を描きたいか決めずに買う

結局これが一番遠回りになりやすいです。

まずどんな絵が描きたいか、そこからどんな筆が必要かを決める流れが大事です。
最初に完璧に決める必要はありません。
でも、「ざっくりこんな感じが好き」は持っておくと、買い物の失敗がかなり減ります。

5. 筆を長く使うためのちょっとしたコツ

筆は消耗品ですが、使い方でだいぶ持ちが変わります。

例えば、豚毛は油絵の具の硬さに強く、逆にナイロンはオイルを使って負担を減らすことができます。

5-1. 硬い絵の具をそのまま押しつけすぎない

筆が痛みやすい使い方を避けるだけで、寿命は変わります。

特にナイロン系は、硬い絵の具をそのまま強く押しつけると傷みやすいです。
細部用の筆ほど、やさしく使ったほうが長持ちします。

5-2. 使い分けを決めておく

広い面用、細部用をなんとなく分けるだけでもラクです。

決めておくと、筆選びに迷いにくくなります。
これ、地味ですが制作中の疲れを減らしてくれます。

5-3. 消耗したら買い足す考えでいい

最初から完璧にそろえなくて大丈夫です。

筆は使ってみて初めて「自分はこれ好きだな」が見えてきます。
だから、最初は少なめで始めて、必要になったら1本ずつ足す。
このやり方が、いちばんムダが少ないです。

6. 初心者向けに選びやすい筆・セット例

ここでは、解決手段としての道具をご紹介します。

「この悩みならこれが合う」という感じです。

6-1. 豚毛の基本セット

最初の1セットとして選びやすいのは、豚毛の基本セットです。

油彩を始める人や学生におすすめで、スタート向きにはちょうどよいと思います。
豚毛は一般的で、スターターセットに入りやすいです。

最初の筆で迷ったら、まずは豚毛のスターターセットを1つ持っておくと、広い面も中間も試しやすいです。

油絵筆 豚毛 スターターセット 6本組

6-2. 細部用にナイロンを足す

豚毛だけで足りない細かい部分は、ナイロンを1本足すと解決しやすいです。

ナイロンは毛先がまとまりやすく、細かい描写がしやすいので、とても優れている素材です。

最初は豚毛中心で大丈夫ですが、目や髪、服の細部が描きにくいと感じたら、ナイロンの細筆を1本だけ足すとかなりラクになります。

油彩筆 フラット 0号

6-3. 本を1冊足して迷いを減らす

道具選びで止まりやすい人は、本を1冊持っておくのもありです。

初心者向けの本として『イチバン親切な油絵の教科書』は道具の説明からしてくれるので、とても役に立ちます。
筆を増やすより、判断基準を増やすほうがラクな人もいます。

筆を増やす前に、初心者向けの教科書を1冊見ながら進めるほうが、結果的にムダ買いが減ることもあります。

7. 油絵の筆選びで迷ったときの考え方

ここまで読んでも、まだ迷うと思います。

でも、それで大丈夫です。

最初の買い物って、たいてい少し迷うものです。

7-1. まず描き始めることを優先する

完璧に選ぶより、始められる形を作るほうが大事です。

筆はあとからでも買い足せます。
でも、完璧を目指すと描き始めるタイミングを逃します。

7-2. 描きながら足りない筆を知る

必要な筆は、描いているとかなり具体的に見えてきます。

「もっと広く塗りたい」
「細部が描きにくい」
この不便が見えたときの買い足しは、ほとんどムダになりません。

7-3. 自分の描き方に合う筆は後から見えてくる

最初から相棒の筆を当てる必要はありません。

最初は、合うかどうかを探る段階です。
そのつもりでいたほうが、気持ちも楽になります。

まとめ

  • 油絵初心者の筆選びは、種類を覚えるより「何を描きたいか」から決めるほうが失敗しにくい
  • 最初は3〜5本くらいでも十分始められる
  • 筆は作品を描きながら必要なものを足していくと気が楽

油絵の筆選びで一番しんどいのは、実は「何を買うか」そのものより、迷い続けて描き始められないことかもしれません。
僕も、たくさん持っていたほうが安心だと思っていた時期がありました。
でも、実際に進みやすかったのは、少ない本数で試しながら、自分に合うものを足していくやり方でした。

筆選びの軸は形・毛・サイズです。けれど、初心者の最初の一歩として大事なのは、それを全部暗記することではなく、「これなら始められそう」と思える組み合わせを持つことです。

だから、いま迷っているなら、まずは

  • 豚毛の中くらいの筆
  • 少し小さめの筆
  • 細部用の1本

このあたりからで十分です。

道具選びが終わってから描くのではなく、描きながら道具を育てていく。
そのくらいの気持ちのほうが、油絵は案外続けやすいです。

最初の筆は、あなたを評価する道具じゃなくて、描き始めるための道具です。
ここを軽くして、まず1枚、進めていきましょう。

参考文献

  • 画家 佐藤功「油絵 筆の種類と簡単な選び方、使い方。画家視点でおすすめの筆」
  • 世界堂オンライン通販「油彩筆の選び方」
  • ホルベインショップ「油彩、水彩画筆の選び方」
  • 名村大成堂「ナムラ C印」
  • PIGMENT TOKYO「油絵具におすすめの筆」
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