油絵を描くときのデッサンの道具はどんなものがあるんだろう?
デッサンはどのぐらい描きこんだらいいのかな?
油絵を描くとき以外にもデッサンの練習をしたほうが良いのかな?
こんなお悩みに対して答えていきます。
★もくじ★
油絵のデッサンで使う道具紹介
油絵を描くときのデッサンの道具は4個です。
理由は、4個あればデッサンができるからです。
具体的な道具を下記で紹介します。
- 支持体
- シャープペンシル
- 練り消し
- フィクサチーフ
上記を持っていれば油絵を描くときのデッサンはできます。デッサンの道具はたくさんありますが、あまり持っていても初心者は迷ってしまうので、必要に応じて足していったほうが良いかと。
それでは、順番にみていきましょう。
支持体
硬めの支持体を用意しましょう。
理由は、油絵を描く前のデッサンだからです。額装のことまで考えたらしっかりした支持体が良いかと。
下記のような支持体が良いです。
- 木製パネル
- 張りキャンバス
- キャンバスボード
なので、硬めの支持体を用意してデッサンをしましょう。
ちなみにおすすめは木製パネルです。
理由は、凹凸がほとんどないのでデッサンした時に芯がボロボロと落ちにくいからです。
とはいえ、下地材を塗ると多少刷毛や筆の跡がつき凹凸が生まれます。気になる方は、下地材が乾いたら耐水性のヤスリで凹凸をなくしてからデッサンしましょう。
上記のようなサイズからはじめてみましょう。
シャープペンシルの理由
描く道具は、シャープペンシルの他に鉛筆や木炭がありますが、とりあえずはシャープペンシルでOKです。
理由を以下に挙げました。
- 理由1:手軽に手に入る
- 理由2:一定の太さでデッサンできる
- 理由3:手が汚れない
上記のとおりです。
順番に解説します。
理由1:手軽に手に入る
比較的に手軽に手に入るかと。何ならすでに持っている人もいると思います。
理由2:一定の太さでデッサンできる
芯のとがりが減ってきても細めの芯にすると大体太さが一定で描けます。
理由3:手が汚れない
木炭のように全体が描ける状態(炭)ではないので手が汚れません。
なので、初心者の方はシャープペンシルから手軽にはじめましょう。
- グラフギア1000 0.5→普段使っている0.5㎜のシャープペンシルです。重さがあり安定感○、グリップが滑りにくい設計です。先端部が収納できるので、折れ曲がる心配なし。
- グラフギア1000 0.7→0.7㎜は0.5㎜より折れにくいです。ただし、芯が太くなります。こちらも先端部収納可。
練り消し
練り消しの使い方は大きく2つです。
- 描いたものを消す
- 描いたものを薄くする
描いたものを消すことは消しゴムでもできますが、練り消しの場合は叩いたり描くようになぞると完全に消えずに少しデッサンの黒色が残ります。なので、描きすぎたものを薄く修正することができます。
消しゴムでもできないことはないですが、硬いのでなかなかコツがいるかと思います。
- ファーバーカステル 練りゴム→便利なケース入り
- 伊研 木炭用練り消しゴム
- ホルベイン デッサン用練りゴム→木炭・鉛筆画にもつかえる
フィクサチーフ
フィクサチーフは使いましょう。
理由は、色を塗るときデッサンの色と油絵具の濁りを防いでくれるから。
やり方は、デッサンが終わったら画面全体に吹き付けるだけです。吹き付けすぎの液だれには気をつけて、様子を見ながら少しずつ吹き付けていきましょう。
フィクサチーフは、木炭・鉛筆に使えるものを選べばOKです。使いやすいのはスプレータイプ。
- ホルベイン フィキサチーフスプレー(小)→こちらは、使いやすいハンディサイズ
- ホルベイン フィキサチフスプレー300ml→ハンディより大きいタイプ。これから頻繁にデッサンする人向け。
なので、上記のように油絵を描く際のデッサンの道具は4つだけもっていれば問題ないです。
油絵を描く際のデッサンの手順
油絵を描くときのデッサンの手順は4ステップです。
理由は、デッサンの意味は素描。素描はこれらのステップのことを言っているからです。ちなみに、手順4の「フィクサチーフをかける」ことは素描が終わってからのステップです。
具体的な手順は以下です。
- 手順1:大きな形を捉えてあたりを描く
- 手順2:具体的な形を描く
- 手順3:光があたっている部分、あたっていない部分を区別して描く
- 手順4:フィクサチーフをかける
順番に解説します。
手順1:大きな形を捉えてあたりを描く
まずは、大きな形や輪郭、構図を意識してモチーフを支持体に収めましょう。
理由は、描きたい絵が画面に収まらないと計画性がない絵になってしまい、まとまりが無くなってしまうからです。
アタリは、設計図のような役割を果たし、ここがしっかりしていると最後まで画面に収まった絵になります。
具体的にはモチーフと支持体の比率を確認して支持体に収めます。下記のような感じです。
- 支持体が正方形の場合、モチーフも正方形
- 支持体がF3の場合、モチーフもF3
モチーフと支持体が同じ比率なので、画面に収まる感覚がつかめると思います。
なので、あたりを描くときはモチーフ、支持体の比率を統一させて画面に収まるように、画面から離れて大きな形から捉えて描きましょう。
手順2:具体的な形を描く
手順1の大体の形をモチーフに似せて、より具体的な形にしていきます。
理由はリアルに描くときでも一度に似せて描くことはできないからです。具体的には…
- 曲線
- 角度
上記のとおりです。
説明は下記です。
- 曲線:直線で描いていた丸のアタリを曲線にしていく
- 角度:もう一度モチーフをみて微妙な角度を修正
なので、手順2では、手順1で描いたアタリやモチーフを見ながらより具体的な形にしていきましょう。
手順3:光があたっている部分、あたっていない部分を区別して描く
モチーフに似せて、光があたっている部分、あたっていない部分を描いていきましょう。
理由は、のちの色塗りの目安になるからです。
具体的には…
- 光があたる部分→白(下地)
- 光があたらない部分→黒
この場合、光が当たる部分は塗りません。
理由は鉛筆や木炭は黒に近いので、暗い部分は黒。逆に明るい部分はハイライトなので、白。地が白だと塗らないほうが良いかと。塗っても、薄く塗るか、塗った上に練り消しを押し当てて白を出すかです。
なので、光が当たる部分は塗らずに明るさを表現します。
逆に光があたらない部分は強弱やハッチングの線の数で黒を塗ります。
白と黒ではっきり塗り分けてしまうと、中間の色がわからなくなるからです。
具体的には…
球体の一番明るい部分と、中間の色、一番暗い色
上記の3段階ぐらいに分けておくと色を塗る時にガイドになるかと思います。
なので、光が当たらない部分は強弱をつけて黒を塗ります。
手順4:フィクサチーフをかける
デッサンのあとには必ず定着させましょう。
理由は、前と同じで定着させないと色を塗った時にデッサンの色も引きずって油絵具が濁るからです。
これではデッサンの意味がなくなってしまいます。
具体的には、定着させていないデッサンの上から赤色を塗ると、赤が濁って茶色のような色になってしまいます。
逆に定着させると、油絵具を汚すことなくきれいな赤が塗れます。
なので、フィクサチーフを使って定着させてから色を塗りましょう。
上記のような手順でデッサンを完了させると、絵具を塗っていくときにスムーズに作業できるかと思います。
デッサンはどのくらい描きこんだらいいのか?
結論としては、結構描き込んだほうが良いです。
理由は、塗る時に色の変化をつけやすいからです。
具体的には…
- 輪郭
- 光があたっている部分
- 光があたらない部分
- 中間部分
初心者は特に色の作り方や、色を塗るときに色々と悩みやすいかと思います。
悩みを1つでも減らすためにデッサンの時に細かな線や陰影を描きこんでおいた方が良いです。
なので、油絵の際のデッサンは描き込みましょう。
油絵を描く以外のデッサンの練習は必要か?
結論としては、時間があればデッサンの練習をすれば良いです。
理由はひたすらデッサンをやっても油絵は上達しないからです。
この理由は、油絵を描かずにに木炭デッサンをしているからです。
めちゃくちゃデッサンすれば絵は上達するかもしれませんが、色を塗ることとデッサンすることとはまた別の問題です。
どのくらいの時間デッサンしたかではなく、1回だけでも油絵を意識したデッサンをしたほうがよほど有意義です。
なので、時間があればデッサンの練習をすれば良いです。そのときは、意味のあるデッサンをしましょう。
具体的には…
- 画面に収めるため
- 人物の陰影を表現するため
上記のように目的を持ったデッサンをしていくことが大切です。なので、時間があればデッサンの練習をして、意味のある練習をしましょう。
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