絵の個展の開き方を解説します。
★もくじ★
初心者でもやってみよう!絵の個展の開き方とは?個展開催の理由
あなたが個展を開きたい理由は何でしょうか?
- 絵が売りたい!
- 私の、俺の絵を見てくれ!
- ただすごい!と言われたい。
などなどあるはずです。
私の場合は、お客様がどんな絵に感動されるのか、その反応を見てみたいということと、お客様と絵のことについて、または個展のことについてお話してみたい、という機会にしたいと考えています。
絵というのはなかなか見る機会はないと思うので、なぜ見に来てくださったのかということも伺ってみたい質問です。
個展を開催した作品の作家であるあなたが在廊している場合、お客様の絵に対する感想を直接聞けたり、逆に言えばお客様が絵を描いているあなたの気持ちを聞けたりします。
今まで当たり前に描いていた自分の絵の技術や個展に関する情報を、個展を見に来てくださった方に話す機会が出来たということになります。あまり難しすぎずわかりやすくお客様に説明できるように準備しておきましょう。
あなたの自信ある作品、
お客様に好まれそうな作品、
お客様の反応を見るため試しに展示している作品、
初心者のための、絵の個展の開き方【流れ】
- 個展やるぞ!!と自分に誓う
- 作品を作る
- コンセプト、個展名を考える
- 会場の決定
- 会場との契約
- 展覧会開催の告知
- 搬入
- 絵の展示
- 展示会場での在廊・接客
- 展示会場の後片付け
- 搬出
- 次回の個展へむけて
大体の流れを書いてみました。
初心者の、絵の個展の開き方【準備編】
他の方が開催されている個展を見に行く
自分が個展を開くときにはどのようにすればよいか、全く検討がつかないはずです。
ですので、既に絵を展示されている他の方が、
- どんな展示方法で展示されているのか?
- 額装での展示か?
- ピクチャーレールに直接パネルを吊るしているだけなのか?
- 照明の当たり具合は?
- キャプションと作品の距離や位置は?
- 作品の高さは自分の目線より高いか低いか?
などなど考えながら見てみると良いです。
展示してくれる会場を探す
インターネットで展示会場を探します。
会場の利用料金や展示期間は大体展示会場のホームページに載っています。
会場選びの基準は、会場までの道のり(駅からのアクセス)、会場の広さ、展示可能範囲、会場の過去の展示経歴、会場の知名度、会場オーナー様のお考えなどなど。
カフェギャラリー、ギャラリー、画廊、美術館、公共の施設イベント会場など、普段から調べてイメージしておき、あなたがどんな展示をしたいのか、そのイメージと合う展示会場を探しましょう。
実際に会場に行ってみる
一度会場へ足を運んでどんな展示をしているのか見に行ってみましょう。まずはお客さんとして行ってみます。
会場の雰囲気を肌で感じて「展示してみたい」となったらその日にでも会場の方に展示のことを聞いてみましょう。
展示会場の規則は、事前にインターネットで展覧会場のホームページを調べておいて、展示会場の方には「ホームページを拝見したのですが、、、」といった感じで規則の確認をすると話がスムーズに進みます。
展示会場のホームページがない場合はある程度質問を決めて会場の方に聞いてみましょう。
会場への相談や予約は早いに越したことがないので、気になることがあったら早めに連絡しておきましょう。
その際どのような展示をしてみたいかを事前に考えて、会場の方に言えるようにしておきます。
会場の展示の傾向は、インターネットで展示歴を見たり、実際に会場に行ってみてチェックします。
作品をすぐ会場の方に見てもらえるようにポートフォリオや、あなたの作品、ない場合はスマートフォンに撮った作品画像を用意しておきます。
あなたがSNSで絵を投稿している場合はSNSの画像を見てもらっても良いです。
展示会場との契約の申し込み
会場は1年前ぐらいから予約が埋まってしまうこともあるそうなのでそのぐらいを見越して早めに調べておく必要がありそうですね。
あなたが個展を開催したい日にちを大体決めておくと段取りがしやすいです。
展示会場の規則を聞きましょう。会場にご迷惑がかからないように、しかもあなたが作品制作で焦らずしっかりと準備できる確信をもって会場の予約をしましょう。
展示方法の設備の確認をします。(ピクチャーレール、脚立などはあるか)それによってあなたが準備するものが決まってきます。事細かに確認しましょう。
作品のレイアウトを考える
展示会場の寸法が書かれた平面図が展示会場のホームページに掲載されている場合があります。
それをプリントアウトしたり、スマートフォンで撮影してイメージを膨らませます。
私の場合は、事前に会場の簡単な立面図(といってもただ壁の四角を書くだけですが。)を書いて配置をイメージします。壁の絵にキャンバスの四角、さらにはキャンバスの四角に画像を挿入させてみると臨場感が出てきます。時間に余裕がある方はやってみて下さい。
心地よい展示間隔はどのぐらいか、隣の絵と干渉しないかをある程度イメージします。
展示会場の広さがわかったら、どの作品を展示するかある程度イメージして決めましょう。
買うもの、用意するもの
額縁と紐
絵を額装する際に使います。
画鋲やピン
キャプションや、作家プロフィールを留めるときに使います。
テープ
キャプションや作家プロフィールを壁に貼ったりその他使う機会があると思います。
養生テープやマスキングテープなど様々ありますが、会場にテープの跡が残らないような粘着の弱いもの、かつ展覧会開催期間中はキャプションや作家プロフィールが何度も剥がれ落ちないように気を付けたいです。
説明用ラミネート、またはファイル
制作過程の写真付き説明書や、号単価がいくらかわかる価格表などです。
芳名帳(ほうめいちょう)
いらっしゃった方にお名前やご住所を頂戴して後にお礼のお葉書を送ります。
鉛筆、ボールペン
芳名帳の傍に置いておいたりお客様のメモ書き用、あなたが都度会場で思ったことを書きとめるために何本か用意したほうが良いです。
DM(ダイレクトメール)
個展開催期間中、あなたの展示会場にお客様がいらっしゃったときにご挨拶とともにさりげなく渡しましょう。
名刺と名刺入れ
お客様にご挨拶の時すぐお渡しできるように持っておいたほうが良いと思います。
作品の価格
もしかしたら、あなたの絵を買いたいとおっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。
全然売るなんて考えてもいなかったといっても、現実にいらっしゃる可能性もあります。そのときに即興で値段を決めてしまうのではなく、事前に設定しておきましょう。
ディスプレイ
なにか季節のものが少し展示会場にあると目をひくので良いと思います。
決済(領収書、お釣り)
あなたが作ったグッズや絵が売れたときに必要になってくるのでお客様がスムーズにグッズや絵をご購入いただけるように販売方法を考えておきましょう。
手書きタイプはこちら↓↓↓
電子タイプはこちら↓↓↓
無料登録できるスクエアもおすすめです。
ある画家の方は、個展開催時突然の外国のお客様がカードで支払いたかったのに、カード決済不可だったため、売上を逃したのだとか。
スクエアなら、スマホと専用のリーダーがあればカード決済で売り逃しません。私も登録しています。
これの良いところは、商品の写真と値段を登録できるところ。登録しておけば、スムーズに決済できます。
消費側だけでなく、慣れない販売側でもキャッシュレス決済の恩恵を受けましょう。
キャッシュバックキャンペーンと組み合わせると実質無料です。この辺の努力でで売上に差がつきますね。
手提げ袋、袋
グッズが売れた時にお客様がお持ち帰りしやすい袋を用意すると良いです。
感想ノート
これを後から読むと、とても参考になるし、ほめられると嬉しいので是非用意しましょう。
それだけでなく、感想は個展のレビューとなります。ブログに載せて今回来れなかったお客様に、次回ご来場いただけるきっかけとなります。
身だしなみ
髪型や服装、爪、表情など前向きな印象で会場に在廊しましょう。
あなた用の資料
あなたが持っていていつでもお客様に説明できるように持っておくと便利だと思います。ジャケットのポケットに入れておいても良いかもしれません。
初心者の絵の個展の開き方【作成】
作品を作る
今回の展覧会のコンセプト、展覧会のテーマを決めてテーマに沿って絵を制作しましょう。
様々な色・サイズの作品があった方が、見ている人は楽しいので作品を描く段階から意識して描きましょう。
あまり大きな絵ではなく小さめのサイズで何点か描きます。SM(サムホール227㎜×190㎜)や号数の少ない絵を多めにします。
少し大きめ8号(キャンバスFの場合の寸法455㎜×380㎜)ぐらいや、描けたら15号(キャンバスFの場合の寸法652㎜×530㎜)ぐらい1点ぐらいを描いてみましょう。
会場では、小さい作品の途中で大きめの作品がインパクトを与える。または、同じ大きさの(例えばA4サイズ210㎜×297㎜ぐらいの)木製パネルに様々な色の作品が高さが一緒で整然と並べられている。
というようなイメージをもってあなたの展示風景を頭に思い描きながら絵を描くと良いかもしれません。
サイズの強弱、様々な色の絵を飾ることで会場が色鮮やかになり見ごたえが出てきます。もちろん、全部同じサイズのキャンバスや木製パネルに描いた作品をきれいに整然と並べる展示もありです。
いずれにしてもあなたが自信を持って描いた作品を展示しましょう。
のちのちDMに何点か「これを見てほしい!」という作品の画像を載せて告知するので、個展のエースを決めておくのが良いです。
作品が少ないとスカスカの会場になってしまうので、作品がある程度たまってから「これならいける」と思ったら会場に問い合わせしてみましょう。
行動が遅い方は先に半年後、一年後に個展開催日時と会場を決めてしまってそれから作品を集中して描くのも良いかもしれません。
しかし、作品の制作に遅れが出てしまうのと、作品制作にやる気ではなく逆に焦りが出てしまう、そして会場のご迷惑になってしまっては大変なので、確実に作品を描きためた方が良いです。
作家プロフィールを作る
展示会場にいつも在廊できない方は、この作家プロフィールが効力を発揮します。
まずは、どんな人がこの作品を作ったのか?そこを、あなたの絵を見てくださった方は知りたいはずです。
ですから、顔写真、氏名、生年月日、出身地、性格などなどの項目を入れて会場に貼っておきます。
1つでもあなたとの共通点があれば、作家プロフィールを見たお客様はあなたとの距離がぐっと縮まったと感じると思います。
作品梱包
なるべくゴミが増えないようにコンパクトに梱包しましょう。
DMの作り方
自宅でプリンタを使って印刷、またはネットを使って印刷を依頼してもいいかもしれません。
時間に余裕があれば、手書きで味わいのあるDMを作るのも良いです。
内容は、タイトル、開催期間、開催場所、開催時間、作家プロフィール写真、メインの作品の画像といったところでしょうか。
タイトルカード(キャプション)を作る
- タイトル→「絵のタイトル」
- 制作年→2018
- 作品サイズ→455×380㎜(F8)、(インターネット「キャンバス サイズ」で検索窓に入力したり、絵の本で調べます。大体載っています。載っていない場合は実際に測ってみて㎜や㎝で書きます。㎜なら㎜、㎝なら㎝と、他の作品とサイズの単位を統一させましょう。)
- 支持体(何に描いたか)に技法→Oil on canvas
- 販売価格(販売する場合)
名刺を作る
これも自分で作る、業者さんに依頼するなどがあります。名前、読み仮名(ローマ字)、メールアドレス、SNSのURL、ブログのURL、ホームページのURL、住所、電話番号などを入れて楽しい名刺にしましょう。
私は自宅のプリンタで作っています。名刺の見本の名前部分やメールアドレスの部分を消してあなたのお名前、メールアドレスを記入していただければ簡単にオリジナルの名刺が出来上がります。
デザインは様々あるので作っていて楽しいです。
ちなみに私が作っている名刺は、「スリーエムジャパン株式会社」から販売されているA‐oneマルチカード両面クリアエッジタイプです。↓↓
これをホームセンターや画材屋さん(私の場合は世界堂という画材屋さんで購入することもあります。)で購入し、エーワンのホームページにアクセスして「ラベル屋さん.com」から起動します。
好きな名刺のテンプレートから選び、自分の名刺を作っていきます。画像も挿入できます。
パソコンの編集画面はこちら↓↓
プリンタでプリントアウトすると、大体この画面のような仕上がりになります。
上下のグレーの部分は見切れてしまうので、プリントしたい部分をグレーの内側にレイアウトしましょう。
無料プレゼント
手軽に作れる、手軽に渡せるポストカードが良いです。
パソコンに写真やスキャナで取り込んでポストカードの裏側にプリントアウトするだけなので簡単!
質を追求するなら紙やプリンタ選び、またはプロにお願いしたほうが良いかもしれません。名前やブログのURLを載せておいても良いです。
写真撮影OK!です。
写真撮影の良し悪しの張り紙や注意書きなど。撮影がオーケーの場合、SNSでシェアしてくれる可能性があります。
価格表
号単価を決めてそれを表にし、クリアファイルに挟んだりして会場に置いておきましょう。
作品の販売が可能かどうかは会場に事前に聞いておきましょう。
初心者のための、絵の個展の開き方【告知編】
あなたの個展開催のお知らせをしましょう。
DMやチラシで告知する
絵の制作であなたはエースとなる絵を描いたと思いますが、ここでDMの作品画像として掲載し、目を引くDMやチラシにしましょう。
お世話になっている人、知り合い、友人、家族などに直接渡したり、お店においてもらいます。
一言直筆を加えると印象に残ります。
新聞社、ラジオ局など調べて送るのもありです。なかなか知り合いがいる方は少ないと思います。私はイラストを送ったことはありますが、DMを送ったことはないので挑戦してみたいです。
ちなみにイラストを送ったときは何も反応をいただけなかったので、目的(今回は個展開催の旨)をしっかりさせて送るべきだったと反省です。
ハガキを出すタイミングは、忘れられず予定がまだ入っていないくらいの期間が良いでしょう。
となると、大体1か月ぐらい前。次の月のカレンダーに何も書きこまれていないぐらいの時期でしょうか。
初心者の絵の個展の開き方【自宅から会場編】
搬入
基本的にあなたが全部自分でやったほうがいいです。自分で設営して大切に展示したという自信がつきます。
でも、どうしても時間的に、または大きすぎて重すぎてという場合は友人や家族に搬入を手伝ってもらいましょう。
展示会場の規則を守って搬入しましょう。
初心者の絵の個展の開き方【会場での準備】
作品の取り付け
展示する場所に一つ一つ作品を置いていってそこから展示しましょう。
釘、ハンマー、水平器、脚立など全部自分で設置するつもりで用意します。さすがに脚立は会場にあるかなとは思いますが。会場に確認ですね。
下に置いておいた作品をピクチャーレールのワイヤーに作品をひっかけて水平、高さ、隣の作品とのバランスを見ます。
作品が落下しないよう、また落下によって作品や会場が傷つかないように気を付けましょう。展示会場によって展示方法が様々ですので、都度確認しましょう。
とくにDMやチラシに載せたメインの作品の扱いは注意です。
DMの作品を見て、それらが目当てで会場にいらっしゃる方がいることを頭に入れておきましょう。
貼り付け
展示会場の規則に従い、貼り付けます。
- 作品タイトルカード(キャプション)
- 作家プロフィール
- 注意書き
などなど
一つ一つ気をつかって真剣に設置していったら意外と時間がかかるし汗も出てきます。
適度に水分をとったりして休憩しながらやりましょう。(水分補給は可否も会場に要確認!)
照明セッティング
作品に対してのライトの数が合うことはないはず。作品の数に対して照明が足りない場合、あなたの自信作にライトをあてておくと良いです。
初心者の絵の個展の開き方【個展開催期間】
在廊の際は小ぎれいな服装、髪型で展示会場にいらっしゃった方に挨拶し、笑顔でお客様と会話しましょう。
あなたの個展には、様々な理由で立ち寄って下さいます。
いずれにしてもお客様を爽やかな笑顔でお迎えして、適度にお話ししましょう。
そして、体調を万全に。
初心者の絵の個展の開き方【会場から自宅編】
搬出
立つ鳥跡を濁さずです。
ゴミが落ちていないか確認して、必要ならば掃除して帰りましょう。
初心者は次の絵の個展の開き方がわかる!?
個展、お疲れさまでした。
芳名帳にお名前をくださった方にお礼のお手紙をお送りしましょう。
展示空間とお客様との接客、そして感想ノートから様々なことが分かるはずです。
絵に対する考え方も少し変わって、「もっとこうしたかった」と、やりたいことが出てきたのではないでしょうか?
まとめ:初心者でもやってみよう!絵の個展の開き方とは?個展開催の理由
大切なことはあなたがどこまで個展でやりたいのか?
夏の高校野球でいえば、地区大会1回戦突破なのか、地区大会決勝戦に行くのか?いやいや甲子園に行く!いやいや甲子園で優勝する!!
絵でいえば展示するだけなのか、SNSでシェアしてもらいたいのか、または何点か売りたいのか、、、。
それらによって準備することが変わっていきます。
個展という華やかな会場に出るまではコツコツ作業する印象ですが、それでも自分の絵を見てもらいたいのか?それらの作業をした人が自信をつけて、会場で自信をもってお客様をお出迎えできます。
私が以前展示させてもらった時は、知り合いの方にお誘いいただいて展示させていただいたので、テーマはあまりがっちりと決めていませんでした。
そして、告知は当時のアルバイト仲間にフライヤーを配った程度でした。
それでも準備したノートに絵の感想を書いてもらった時は、とても嬉しかったです。
個展といっても開き方は様々、展示会場によって規則が様々です。
会場選びから、搬入、展示、接客まで気を遣う部分が多く、しかも初めての方はお客様との応対で緊張して疲れます。
お客様、自分が展示した自分の作品を冷静に見ると自分はどんなテンションになるのだろうか?足がガクガク震えるのか、楽しくて仕方ないのか、こればかりは一人一人が個展をやってみないとわからない感覚です。
その感覚を味わうために、私と一緒に個展へ向けて一つずつ焦らず取り組んでいきましょう!
最後までお読みくださりありがとうございます。