- 油絵でオイルのおすすめが知りたい。
- どんなオイルが描きやすいのかな?
- 超初心者であまりよくわからないから、わかりやすいオイルが良い。
- オイルはあまり多く使いたくないな。少ない数でシンプルに制作したい。
こういった疑問に答えます。
★もくじ★
油絵におけるオイルのおすすめ紹介【超初心者向け】
早速おすすめのオイルを紹介します。3つ揃えれば油絵が描けます。
- 揮発性油
- 調合溶き油
- 筆洗油
以上です。
下記より具体的な説明をしていきます。
おすすめの揮発性油[下塗り]
おすすめの揮発性油は以下です。
- ホルベイン オドレスペトロール
以上です。
揮発性油には、様々な名前のものがあり、ペトロール、テレピン、ラベンダーオイルなどがありますが、まずはひとつだけ使ってみて他に興味が出てきたら試してみると良いです。
オドレスペトロール(揮発性油)を使うタイミングは以下です。
- 支持体に下地材を塗る→下地材を乾燥させる→鉛筆で下描きする→フィキサチーフで定着させる→絵の具と揮発性油を混ぜる→塗る→乾燥させる
以上です。
油絵具と揮発性油を混ぜて塗る工程は、「おつゆがき」と言います。ポイントは、油絵具はほんの少し色づく程度にするため、揮発性油にほんの少しだけ混ぜて支持体に塗ります。下描きの鉛筆の色がわかる程度です。油絵を描く人はおつゆがきをしよう!、、、ところでなにそれ?
揮発性油の役割と特徴
以下に揮発性油の役割を挙げます。
- 下塗りの段階で塗る(おつゆがき)
- おつゆがきで油絵具を薄めるのに使う
- ペインティングオイルを薄める時に使う
- おつゆがきで使うと、のちの絵具の定着を良くする
- 乾性油を薄める時に使う
- 揮発し、画面に残らない
- 定着しないで揮発する
- 完成に向けて徐々に量を減らしていく
以上です。
下塗りのことを「おつゆがき」というのですが、油絵を始めたばかりの人は、下塗りの段階で揮発性油を使えば、極論揮発性油の役割は終わりだと思ってもらって良いです。ちなみにおつゆがきの乾燥時間は1日です。1日でカラカラに乾きます。
乾いたら次の段階「描画」に進みます。
ホルベイン 画用液 オドレスペトロール 55ml
ホルベイン 画用液 オドレスペトロール 200ml
おすすめの調合溶き油[描画]
おすすめの調合溶き油は以下です。
- ホルベイン オドレスペンチングオイル
以上です。
調合溶き油は、「ペンチングオイル」や「ペインティングオイル」などと呼ばれます。
オドレスペンチングオイルを使うタイミングは以下です。
→絵の具と揮発性油を混ぜる→塗る→乾燥させる→筆にオドレスペンチングオイルを浸す→オドレスペンチングオイルを浸した筆を油絵具に付け、柔らかさを調節する→支持体に塗る
以上です。
調合溶き油の役割
以下に調合溶き油の役割を挙げます。
- 揮発性油と乾性油を混ぜて作ったもの
- 描き始め(おつゆがき以降)から仕上げまでこれ1本でOK
- 油絵具の粘度を調節できる
- 筆跡を残したくない場合におすすめ
- 綺麗にぼかしたい場合におすすめ(多用すると色がのらない)
- グレーズ(少量の油絵具と多めの調合溶き油)で使える
- 手軽で初心者向け
- 調合(揮発性油と乾性油をブレンド)の手間が要らない
以上です。
調合溶き油は、描画の段階で使います。本当にこれ1本で最後まで描けるのでおすすめです。
ホルベイン 画用液 オドレスペンチングオイル 55ml
ホルベイン 画用液 オドレスペンチングオイル 200ml
油絵具を柔らかくしなくても描きたい場合
結論として、油絵具に何も混ぜなくても油絵具だけで絵が描けます。
理由は、油絵具の成分にあります。
油絵具の成分は以下です。
- 顔料+乾性油
乾性油には、絵の具を固着させる役割があります。言い方が少し変ですが、わざわざ油絵具に含まれている以外の乾性油を使わなくても油絵具には既に乾性油が含まれています。
なので、支持体に揮発性油でおつゆがきしたあとは油絵具だけでも定着してくれます。よってオイルを使わなくても油絵具だけで絵を描くことができます。
揮発性油、乾性油、調合溶き油、油絵具の成分を下の表にまとめました。
顔料 | アマニ油 (植物油) | 石油系溶剤 | 合成樹脂 | 乾燥促進剤 | |
揮発性油(オドレスペトロール) | - | - | ○ | - | - |
乾性油(リンシードオイル) | - | ○ | - | - | - |
調合溶き油(オドレスペンチングオイル) | - | ○ | ○ | ○ | ○ |
油絵具 | ○ | ○ | - | - | - |
上記のように、調合溶き油には揮発性油、乾性油、油絵具に含まれている成分が少しずつ入っています。この表を見ると、調合溶き油1本で描画できることがなんとなく理解できるかと思います。
絵の具の乾燥を早めたい場合
絵の具の乾燥を早めたい場合は、予めペインティングオイルに揮発性油を少し混ぜます。割合は、試しながらちょうど良い割合を探していってください。
とはいえ、はじめはペインティングオイルだけで描けますので、もし乾燥が遅いと感じたら試してみれば良いです。
乾燥には大体3~4日を要します。また、油絵具の顔料や油絵具に含まれる乾性油によっても乾燥時間はバラバラです。乾燥時間はチューブに表記されています。
そして、あなたが薄塗り派か厚塗り派かによっても乾燥時間が変わります。当然薄塗りは乾燥時間が短く、厚塗りは乾燥時間が長くなります。たとえ薄塗りでも、ペインティングオイルや乾性油を使いすぎると乾燥時間が長くなります。
オイルを使わずに乾燥時間を短くする方法は、油絵具を薄塗りで塗ることです。
逆にオイルを使う場合、揮発性油を多くしすぎると、今度は油絵具が定着しないので、使いすぎには気をつけましょう。
どうしても乾燥を早めたい場合は、速乾性のあるメディウムを使いましょう。
オドレスとは?
紹介した、ペインティングオイルや、ペトロールには「オドレス」という言葉が入っていました。
オドレスとは…
- オドは英語で臭い
- レスはより少ない
オドレスには以上のような意味があります。「より少ない臭いのオイル」という意味です。
なので、ホルベインのオドレスとついたものは、石油臭がほとんどなく無臭です。初心者に限らず、臭いが気になる方は一度試してみる価値はあるかと。とはいえ、換気は必要です。風通しの良い場所で制作しましょう。
おすすめの筆洗油[制作途中の筆洗い]
おすすめの筆洗油は以下です。
- クサカベ無臭クリーナー
以上です。
例えば、「水彩絵具」を扱う時、絵の具を塗って色を替える時には、筆の穂先は水に浸して洗いますが、油絵具の洗浄の場合は水に溶けないので専用のクリーナーを使います。それが石油系のクリーナーです。
筆洗い一体型の無臭クリーナーは便利です。筆洗器を用意する必要がなく、容器の中の溝に筆をあてて汚れを落とせるからです。容器と洗浄、両方の役割を果たします。
クサカベの無臭クリーナーは溶剤の臭いがなく、有害性が低い洗浄液です。
ちなみに、無臭クリーナーは油絵の製作時に筆の汚れを落とすためだけのクリーナーです。油絵制作後のクリーナーは別にあり、水性です。または、石鹸を使って洗います。ちなみに無臭クリーナーも換気が必要です。
無臭クリーナー 100ml ポリ容器 クサカベ画用液
無臭クリーナー 150ml ポリ容器 クサカベ画用液
おすすめの筆洗油2[制作途中の筆洗い]
もうひとつ、制作途中の筆洗いのオイルを紹介します。
それは、おつゆがきで使う揮発性油です。
揮発性油は筆についた油絵具をきれいに落としてくれます。一方、石油系のクリーナーは油絵で使う揮発性油とは成分が違うので、よく拭いたとしても筆にはクリーナーが若干残ります。
その点、揮発性油なら普段描画に使っているものを使うので、支持体についたとしても大丈夫です。
揮発性油をおすすめするが、その代わり
揮発性油はおすすめしますが、その代わりに、オドレスはおすすめしません。
理由は、オドレスは臭いがほとんどしないので制作環境には良いのですが、筆についた油絵具を落とす力、つまり洗浄力が弱い可能性があります。筆についた油絵具をしっかり落とすことができなければ、新しい油絵具を筆につけたときに濁り、支持体に塗った油絵具も濁ったままの状態になり、結果思った色が出せなくなります。
じゃあどうすれば良いか?
オドレスという名のついていない揮発性油を使うということです。
つまり、ペトロール、テレピン(ターペンタイン)を使います。
ただし、オドレスという言葉が抜け落ちた揮発性油は臭います。臭いです。
なので家族がいる方は、周知しましょう。
そして、密閉性の高い筆洗器に入れて開けっ放しで制作せず、使うたびに開け閉めして使うとあまり臭いが広がりません。
これは、どちらがより良いか?
- 石油系のクリーナーを使って、支持体にクリーナーの成分が少し残るのか
- 臭いはあるが、絵に使う材料である揮発性油を筆洗油として使うのか
ということです。
もし後者を選ぶ場合、油絵制作に必要なオイルは「揮発性油とペインティングオイルの2つだけ」ということになります。
- 揮発性油を油壺に入れ、筆洗油として使う。
- おつゆがきには揮発性油を別に容器に用意して使う。
- おつゆがきが乾いたらペインティングオイルだけで油絵を描く。
上記のように使っていけば油絵が描けます。
あなたにとって最適な制作環境になるようにしましょう。
- ホルベイン ペトロール 200ml ビン入
- ホルベイン ペトロール 500ml ビン入
- ターレンスジャパン 密閉型筆洗器 中→小さくコンパクトだが、押さえずに筆だけで洗おうとすると本体が動く。本体を手で押さえて洗う
- ホルベイン筆洗器 No.9/アルミ製 バケツ型 特大 ラセン付→大きく場所を取るが、筆だけで洗っても本体に筆洗油の重さが加わるので動きにくい。満量になるまで量が必要なので500mlの筆洗油がおすすめ
まとめ
- オイルは、揮発性油・調合溶き油・筆洗油3つの役割を果たすオイルを揃える必要があり、臭いが少ないものが快適に制作できるのでおすすめ
- 揮発性油は「オドレスペトロール」、調合溶き油は「オドレスペンチングオイル」がおすすめ(「オドレス」と付かなくても臭いが抑えられたオイルがあればOK)
- オイルは、無臭クリーナーか揮発性油がおすすめ。無臭クリーナーは、描画に使うオイルと成分が違い、揮発性油は「臭いを抑えた」以外のもので、臭いがするが洗浄力があるものがおすすめ
以上、油絵で超初心者におすすめのオイルを紹介しました。
参考になれば嬉しいです。
最後までお読みくださいましてありがとうございます。