阿波踊りはいつから始まるのか|日時・由来・徳島県外の阿波踊り紹介

この記事では次のことをお伝えします。

阿波踊りは、いつから始まるのか、いつから始まったのかが知りたい

会場の人出が役130万人、踊り子は約10万人参加する最大級の大会「徳島市阿波おどり」。

阿波踊りは毎年何日の何時から始まり何日の何時まで開催されるのでしょう。

また、阿波踊りはいつから踊られてきたのでしょうか。

この記事のざっくりとした結論

・「徳島市阿波おどり」は徳島県徳島市で毎年8月12日〜15日、時間は18〜20時、20時30分〜22時30分(要事前確認)に行われる

・阿波踊りが初めて踊られたのは1570年~1580年代ごろからで、3つの起源説がある

・全国各地で開催され、海外でも行われている

もし続きが気になる場合は、記事を読み進めてみてください。

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阿波踊りは毎年いつから始まるのか

「徳島市阿波おどり」は、徳島県徳島市で毎年8月12日〜15日の4日間開催されます。

時間は18時〜20時、20時30分〜22時30分です。

大会前日(8月11日)には、「選抜阿波おどり大会前夜祭」がステージで行われます。

期間中は毎日昼・夜にわけて阿波おどりが行われます。

昼は「選抜阿波おどり大会」があり、屋内で有名どころの「連」による見事な踊りが披露されます。野外の雰囲気とはちがった迫力があります。

一方、夜の部はメインである「徳島市阿波おどり」が徳島市のあちこちで開催されます。

踊り子の数は10万人(2017年)と言われています。

ちなみに毎年8月9日の「鳴門市阿波おどり」が一番はやい開催です。

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阿波踊りの「連」とは

「連」とは、阿波踊りを踊る団体やグループのことを言います。

阿波踊りの連の種類
  • 「一般連」:地域住民で結成
  • 「有名連」:阿波踊り振興協会など団体に加盟
  • 「企業連」:企業で構成

その他、大学のサークルで構成された大学連、商店街で結成した連、仲間の連などがあります。

ちなみに、徳島県以外で開催される阿波踊り大会にもこの「連」の文化が受け継がれています。

上記のように、協会に所属している連、所属していない連があります。

協会に所属している連と、所属していない連を比較して見てみたり、踊り方や衣装、伴奏などを見比べてお気に入りの連を探してみるのも楽しみのひとつですね。

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有名連

阿波踊りの連はさまざまです。そのなかの有名連と言われる連所属の団体を3つほどご紹介します。

  • 阿波おどり振興協会:のんき連、阿呆連、よしこの連など
  • 阿波おどり協会:うきよ連、ほんま連、みやび連など
  • 阿波おどり保存協会:阿波藍連、かずら連、天祐連など

有名連に注目して見てみると、阿波踊りの素晴らしさがより伝わると思います。

阿波踊りは「日本三大…」が多いイベント

阿波踊りは徳島県発祥の伝統芸能で、「日本三大盆踊り」のひとつに数えられています。

日本三大盆踊り
  • 徳島の阿波踊り
  • 岐阜の郡上踊り
  • 秋田、羽後町(うごまち)の西馬音内(にしもない)盆踊り

また、阿波踊りは「日本三大阿波踊り」に数えられるほど、阿波踊りは全国に普及しています。

日本三大阿波踊り
  • 徳島市阿波おどり
  • 東京高円寺阿波おどり
  • 南越谷阿波踊り

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阿波踊りはいつ始まったか

阿波おどりは約400年前にはじまり、由来はさまざまあります。

未だにはっきりしていないようです。

阿波踊りの由来

阿波踊りの3つの起源説です。

徳島城の築城起源説

阿波踊りは徳島県が発祥の地で、大正15年(1587年)阿波国(今の徳島県)の蜂須賀(はちすか)家政が徳島城を建築したときの祝賀会に城下の人たちが踊ったことが始まりと言われているようです。

風流踊り起源説

能楽の元である「風流踊り」が期限の説です。天正6(1578年)に十河存保(そごうまさやす)が勝瑞城(しょうずいじょう)で風流踊りを開催した記録に基づいているようです。

盆踊り起源説

阿波おどりが旧暦の7月に行われた盆踊りである説です。

阿波踊りはいつから「阿波踊り」と言われるようになったか

「阿波踊り」とは、昭和初期(昭和元年=1926年)のころから呼ばれるようになったようです。それまでは「徳島盆踊り」と言われていたようです。

阿波踊りの名称は徳島県内の各所で開催された盂蘭盆(うらぼん)踊りの一般的な呼び方です。

盂蘭盆とは、「お盆」のことで、仏教行事の一つのことを言います。亡くなった人が餓鬼道(がきどう)に逆さに吊るされて苦しんでいるので、仏事(儀式)によって苦しみを取り除くことが目的です。

日本画家の林鼓浪(はやしころう)が徳島商工会議所に提案したそうです。

阿波踊りが「阿波踊り」と呼ばれたのは、初めて踊られてから300年以上経ってからのことです。阿波踊りの歴史の中で半分以上が名前も決まっていない踊りが長い間踊られていたことになります。

阿波踊りの長い歴史の中で「阿波踊り」と呼ばれたことがつい最近だということがおわかりかと思います。

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阿波踊りは阿波市が本場ではない

阿波踊りは、徳島が本場です。

一方、阿波市は2005年に市町村が合併した市です。

阿波踊りはそれ以前にありましたから、阿波市が阿波踊り発祥というわけではないようです。

阿波踊りの原形

阿波踊りの原形には、2つの説があります。

阿波踊りの原形2つの説
  • 悪霊を追い払うための念仏を唱える際に踊る「念仏踊り」
  • 先祖の霊を供養する踊り「精霊踊り」

阿波踊りとは何か

阿波踊りとは、鳴り物の2拍子の伴奏で「連」と呼ばれる踊り子、伴奏者の団体が踊って街を練り歩く踊りです。

「よしこの」と呼ばれる阿波踊りの歌で知られています。

よしこの
  • 踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損々
  • えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ

ちなみに「よしこの」は、主に有名連で使われる歌だそうです。

それ以外で使われる「よしこの」は

  • ヤットサー、ヤットサー

が多く使われているようですね。

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阿波踊りの流派

阿波踊りは手をあげて、おはやしに合わせながら踊ることで成り立ち、思いのままに踊れます。

ですが、踊り方は3つにわかれています。

阿波踊り三大主流
  • のんき調
  • 娯茶平(ごぢゃへい)調
  • 阿呆調

それぞれの連の踊りはこの、3つの流派のどれかの踊り方にあてはめているようです。

のんき調

のんき調は、1925年(大正14年)創設の「のんき連」から誕生した「のんき調」。

男踊りでがメインで、つま先を立て背すじを正しながらの動作です。最も親しまれている踊りのようです。

娯茶平(ごぢゃへい)調

娯茶平(ごぢゃへい)調は、「娯茶平」という連から生まれました。

ゆるやかなおはやしに合わせた動作が特徴のようです。男踊りは腰を低くしてうちわを持ちながらすり足の動きを繰り返します。

阿呆調

阿呆調は「阿呆」という連から生まれた流派です。

もっとも激しく力強い踊り方で、男踊りは前傾になって踊ります。手にはちょうちんを持って鮮やかな手つきで観客を魅了します。

その他の流派

その他の流派として、徳島の「苔作」という連発祥の「苔作調」があります。

打楽器だけを使用するのが特徴の流派です。衣装や踊りはロック、ストリートなどのスタイルで、連の支持年齢層は若めです。

連のなかの踊りの種類

連のなかでも踊りの種類がわかれます。「男踊り」と「女踊り」です。

「男踊り」

男踊りの特長は時に強く激しく、時にユーモアがある踊り方を披露してくれます。

男踊りといっても、女性や少年や少女が踊ることもあるようです。

男踊り
  • 衣装:浴衣(ゆかた)、半天(法被)、足袋(たび)
  • 持ち物:基本的には何も持たないが、うちわやちょうちんを持つこともある
  • 踊りの特徴:思いのままに大きく動く

また、男踊りの中にも、踊りが別れています。

  • 浴衣を着て踊る踊りは「浴衣踊り」
  • 半天(法被)を着て踊る踊りは「半天踊り」

どちらも足袋を履いて踊ります。

「女踊り」

一方、女踊りは編み笠を深くかぶって色っぽく上品な踊りです。

女踊り
  • 衣装:浴衣(ゆかた)、編み笠、下駄、厚化粧
  • 踊りの特徴:上品で風情ある動き、すり足で歩く

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阿波踊りの魅力のひとつ「楽器」6つ

阿波踊りは踊りが特徴的ですが、踊りの調子をつける楽器(鳴り物)にも注目です。

鉦(かね)

チリンと響く音が特徴の鉦。踊り始めやテンポの変わり目の合図として使用されています。

なので、連の長など阿波踊りを熟知している人が担当することが多いようです。

笛は、横笛が採用されています。

踊りになくてはならないアイテムですよね。

三味線

普段なかなか聞くことのできない楽器、三味線。リズムよく奏でる音は聞くだけでも楽しくなりますが、演者の姿にも憧れます。

大太鼓

胸に響くほどの大きな音が特徴の大太鼓。豪快な演出が魅力です。

締太鼓(しめだいこ)

小さめな太鼓の締太鼓。大太鼓とはちがいスピード感があります。大太鼓と締太鼓の相反する演出によってリズミカルな音を奏でます。

鼓(つづみ)

太鼓のような形で、肩に乗せて手で叩くイメージがある鼓。「ポン」と合いの手が入れば演奏に締まりが出ます。

このように阿波踊りは、踊りとセットで鳴り物にも力を入れています。目と耳で夏の風物詩を楽しんでみてはいかがでしょうか。

徳島市阿波おどりの来場者数

徳島市阿波おどりの人出は約130万人です。なお、踊り子の数は約10万人です。

全国の大会来場者数
  • 隅田川花火大会 例年の人出 約95万人引用元:Walkerplus
  • さっぽろ雪まつり 来場者数平均約220万人引用元:Wikipedia

上記の有名なお祭りを見ても、徳島市阿波おどりの人気ぶりがおわかりかと思います。

徳島市阿波おどりが観覧できる場所

徳島市阿波おどりが観覧できる場所は「演舞場」や「桟敷」です。

演舞場

演舞場は、公道や公園に設けられる踊り場のことです。

18時から22時半まで開催されます。

桟敷(さじき)

公道には、両サイドにひな壇の見物席が設置されています。

これが桟敷です。

無料、または有料の場合があるようです。

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人混みは苦手だけど阿波踊りを見てみたい方

人混みは苦手だけど阿波踊りを見てみたい方は、毎日楽しむことができる「阿波おどり会館」を訪れてみてはいかがでしょうか。

高張り提灯をモチーフにした会館です。

昼は専属連、夜は有名連が舞台に立ちます。阿波踊りに参加することもできるようですよ。

また、「阿波おどりミュージアム」で阿波おどりの歴史を学ぶこともできます。

これなら阿波おどりのシーズンがズレていても、阿波おどりを楽しむことができますね。

阿波踊りの用語を知れば楽しさ10倍?

阿波踊りには、専門用語が出てきます。

これらを予習しておくことで、阿波踊りに詳しくなり、地元の方と交流ができるかもしれませんね。

よしこの

阿波おどりで歌われている歌のことです。

江戸時代の後期に流行った民謡で、ハイヤ節、潮来節(いたこぶし)が原形の説が有力のようです。

正調(せいちょう)

しっかりと継承されてきた調子や歌の意味です。

本来であればこの正しさは音階のことを表しますが、王道や本格派などの広い意味合いで使われているようです。

はやしことば

踊り子がリズムよく発する言葉です。「ヤットサー」などとかけ声を出します。

ぞめき

ぞめきの本来の意味は「騒がしい」で、「派手に心を踊らせてさわがしく踊る」という意味です。

また、阿波踊り独特の二拍子の明るく軽快な調子のことも表しています。

高張り提灯(たかはりちょうちん)

高張り提灯とは、連の名前が入った2つのちょうちんが長い竹竿の先に付けられたものです。

この提灯を持った人が連の先頭に立ち、踊り子もそれに合わせて練り歩きます。

歩くペースを加減する司令塔的な存在。

ちょうちんは風が吹くと縦横無尽に揺れ動きます。それを支える力が必要なので、体力にも自信がある人でないと務まりません。

鳴り物

演奏を支える、引き立て役の楽器のことです。

締太鼓(しめだいこ)、大太鼓(おおだいこ)、鉦(かね)、鼓(つづみ)、笛、三味線など6つの楽器を組み合わせた伴奏が基本的です。

鳴り物は、踊り子の踊りの調子を引き立てる重要な役割があります。

連の列の順番としては、

  1. 高張り提灯
  2. 踊り子
  3. 鳴り物

上記のとおりで、鳴り物は踊り子の後方からサポートします。

先の6つの楽器がだいたいのところですが、少人数の連の場合は、鉦(かね)と太鼓で構成されているそうです。

流し

朝から昼ごろまで、鳴り物を鳴らして街の通りを歩くことです。踊り子がいない演奏だけの情景も、風情があって良いですよね。

編み笠(あみがさ)

女踊りに使われるい草で編み込まれた笠のことです。

笠を目が隠れるほどに前方に傾けて、顔を隠した状態にします。

編み笠を前方に傾けるので編み笠が隠れない、うなじ部分が強調されて、みやびやかで色っぽさが印象付けられます。

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阿波踊り全国普及の経緯

阿波踊りは、大正末期ごろから昭和時代にメディアによって全国へ知られることとなりました。

戦争により一時的に中止されたことがありましたが、日本の再起を願い、阿波踊りを踊る人が急増しました。そして、今では全国各地に阿波踊り文化が広がっています。

徳島県人会が先頭に立ち、全国で阿波踊りが開催されてきました。

徳島県や徳島県人会が指導し、本場徳島以外でも阿波踊りの盛り上がりをみせてきました。

全国の阿波踊りの歴史

全国各地の阿波踊りが行われた年数です。

  • 歴60年:高円寺(人出120万人)
  • 歴50年~:下北沢
  • 歴40年~:三鷹市、初台、中目黒、神楽坂
  • 歴30年~:都立家政、中村橋、小金井市、経堂、糀谷(こうじや)、大塚、神奈川大和(人出40万人)、埼玉狭山ヶ丘、南越谷(人出60万人)

この他にも、全国各地で阿波踊り大会が開催されています。

徳島県や徳島県人会の方々の行動力が、阿波踊り全国普及につながったのですね。

阿波踊りはワールドワイド

阿波踊りは地球規模で行われています。

国内の阿波踊り

  • 徳島県
  • 関東(東京・神奈川・埼玉・千葉・群馬)
  • 中部(静岡・山梨・愛知)
  • 近畿(大阪・兵庫)
  • 中国(岡山)
  • 東北(山形・福島)
  • 北海道

海外の阿波踊り

  • フランス
  • タイ

ある地域で行われていた踊りが、全国各地で連を作って踊られることは異常ですが、国を超えて踊られていることにも驚きです。

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まとめ

阿波踊りはいつから始まるのか|日時・由来・徳島県外の阿波踊り紹介
  • 「徳島市阿波おどり」は徳島県徳島市で毎年8月12日〜15日、時間は18〜20時、20時30分〜22時30分(要事前確認)に行われる
  • 阿波踊りが初めて踊られたのは1570年~1580年代ごろからで、3つの起源説がある
  • 全国各地で開催され、海外でも行われている
出典
  • コトバンク 盂蘭盆https://kotobank.jp/word/%E7%9B%82%E8%98%AD%E7%9B%86-35347#:~:text=%E3%83%96%E3%83%AA%E3%82%BF%E3%83%8B%E3%82%AB%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%A4%A7%E7%99%BE%E7%A7%91%E4%BA%8B%E5%85%B8%20%E5%B0%8F%E9%A0%85%E7%9B%AE%E4%BA%8B%E5%85%B8%E3%80%8C%E7%9B%82%E8%98%AD%E7%9B%86%E3%80%8D%E3%81%AE%E8%A7%A3%E8%AA%AC&text=%E5%8D%98%E3%81%AB%E7%9B%86%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%84%E3%81%86%E3%80%82,%E7%B5%8C%E3%80%8F%E3%81%AE%E4%BC%9D%E8%AA%AC%E3%81%AB%E5%9F%BA%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%80%82 参照:2022年6月3日
  • Wikipedia 阿波踊り https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E6%B3%A2%E8%B8%8A%E3%82%8A 参照:2022年6月2日
  • 阿波おどり会館 阿波踊りの歴史 https://awaodori-kaikan.jp/history/ 参照:2022年6月3日
  • 阿波ナビ 阿波おどり https://www.awanavi.jp/site/midokoro/awaodori.html 参照:2022年6月3日

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