この記事では次のことをお伝えします。
小出国際雪合戦 ルールが知りたい
新潟県魚沼市で開催される「小出国際雪合戦大会」は、1989年から続く大会です。ユニークで楽しい大会運営が特徴です。
そのユニークな運営は、ルールにも表れています。
ちなみに、小出国際雪合戦の公式ルールは、「国際ルール」とは別のルールで行われています。
※なお、小出国際雪合戦は2019年の大会から「魚沼国際雪合戦」に名称が変更されています。
- 小出国際雪合戦はのルールはユニーク
- 審判長が絶対的な権限を有する
- 雪合戦に参加しない人でも楽しめるイベントが盛りだくさん
もし続きが気になる場合は、記事を読み進めてみてください。
★もくじ★
競技概要
まずは小出国際雪合戦の競技の概要です。
「相手チームの選手へ雪玉を当てる」という伝統的な雪合戦を基準に小出国際雪合戦オリジナルルールにのっとった方法で行われます。
- 競技は大人の部(中学生以上)※小学生以下の参加可
- 子供の部(小学生以下)
以上2つの部にわかれて大会が行われます。
小出国際雪合戦は独自のルールを採用しています。
国際ルールとはちがった戦い方に注目ですね。
競技の心得
小出国際雪合戦の競技の心得は、
遊び心をもって競技を行うものとする。雪玉は凶器になりえる。安全に十分注意して雪合戦を楽しむこと。楽しむことを最優先としコスチュームやパフォーマンスにて会場を盛り上げる精神を忘れてはならない。
単なる雪合戦ではなさそうですよね。
勝つための戦いではなく、パフォーマンスして会場を盛り上げる気持ちを大切にしています。
そしてなにより参加する人が一番楽しむことが重要のようです。
コート
それでは、細かなルールに入っていきます。まずは、競技するコートの説明からです。
コートの広さは22m×10mです。
コートにはラインがひかれていて、自軍手前から自軍出陣ライン、自軍大将ライン、敵軍大将ライン、敵軍出陣ラインがあります。また、自軍出陣ラインから敵軍出陣ラインの両サイドにサイドラインがあります。
大将ゾーン
大将ゾーンは、自軍出陣ライン、自軍大将ラインと両サイドラインに囲まれたゾーンです。
バトルゾーン
バトルゾーンは、自軍大将ライン、敵軍大将ラインと両サイドラインに囲まれたゾーンです。
バトルゾーンには、AシェルターとBシェルターがあります。(高さ90㎝×幅100㎝×奥行50㎝)※決勝トーナメントはAシェルターのみ
戦いの場
戦う場所は、自軍大将ゾーンとバトルゾーンにて戦うことができます。
持ち点
続いて持ち点の説明です。
最初に1プレイヤーごとに持ち点が与えられます。当てられたらその持ち点が減っていくというルールで雪合戦が進んでいきます。
持ち点配分は以下です。
- 大人の部:男性3ポイント、女性・子供(小学生以下)5ポイント
- 子供の部:男子3ポイント、女子5ポイント
ここだけ見ると持ち点が多い女性や子供を多く入れたほうが有利な気がしますが、そこは戦ってみないことにはわかりません。
チーム編成
小出国際雪合戦のチームは5人1組の参加となります。
チームは足軽4人、大将1人で行います。
足軽はシェルターを活用し、大将の指示を受けながら戦います。一方、大将は自軍の足軽が全て退場になった時点でバトルゾーンに出て戦わなければなりません。
装備
装備は小出国際雪合戦ならではのものがあります。
- 大将:山岳ヘルメット・かんじき(大人の部)・コシキ
- 足軽:ゴーグル(選手持参・サングラス、水中メガネ不可)
「コシキ」とは木の大きな羽子板の持ち手部分を長くしたような形状のものです。大将はこの「コシキ」を持って雪球からガードするようです。
なお、ゴーグルがないと参加が認められない場合があるようなので、事前に確認したほうが良いですね。
雪球
雪球は事前に用意せず、その場で自分で作るようです。
無限に作って投げられるようですね。
しかし、雪球作りをすると次第に指が冷たくなりかじかんできます。そして、しまいには手の感覚がなくなったり、霜焼けになってしまいますよね。
また、雪球を作ろうとするとシェルターに隠れながらの作業になるかと思います。同じところで作り続けると次第に雪がなくなってきますよね。なので、雪がなくならないように効率よく雪球をつくる必要があります。
雪球をつくる数を最小限にして敵に確実に当てる技術が要求されます。
戦って良い場所、だめな場所
戦って良い場所は、「自軍大将ゾーンとバトルゾーン」です。
一方、戦ってはだめな場所は「敵側大将ゾーン」です。
小出国際雪合戦のおかしな?ルール
小出国際雪合戦には、公式ルールながらおかしな?ルールが存在します。
審判員へのプレゼントは大いに歓迎する。
コスチュームはできるだけ目立つように着飾る(推奨)
試合前、大将ラインへ整列し、挨拶やパフォーマンスをする。
勝者は勝利のおたけびやガッツポーズなどパフォーマンスを行わなければならない。
敗者は残念無念の嗚咽や降参のポーズなどパフォーマンスを行わなければならない。
絶大なる権力を有する審判長の独断と偏見により決定する。
※嗚咽(おえつ)
小出国際雪合戦では審判長が絶対的な権力を握っているようですね(笑)
また、会場を盛り上げるための工夫が散りばめられています。
前夜祭がある
希望者には、前夜祭が用意されています。魚沼産のコシヒカリのおにぎり、地元のお酒が振る舞われるようですよ。
この前夜祭が目当ての人もいるようですね。
「審判員へのプレゼントは大いに歓迎する。」とあったように、審判長への賄賂(わいろ)が認められています。戦いは、大会の前日から着々と始まっているんですね。優勝したいなら、前夜祭で審判長と仲良くしておいたほうが良さそうです(笑)
逆に前夜祭交流パーティで多くの賄賂が飛び交っていたら、審判長も判定に困るとは思いますが。
試合時間
試合時間は以下です。
予選リーグ・決勝トーナメントともに2分
試合時間は結構短い感じがしますが、雪で足場が悪い中走り回るとかなりの運動量になるかと思います。
普段使わない筋肉を使いそうですね。次の日以降の筋肉痛が気になります。
階段に上るのがつらくなるかもしれません(笑)
ポイント・無効ポイント
ポイントになる場合は、「頭部・顔面を除く全身に当たった場合」です。
一方、無効ポイントになる場合は「頭部・顔面に当たった場合」です。
ここでは、競技の心得「雪玉は凶器になりえる。安全に十分注意して…」が活かされていますね。
減点
減点ポイントは以下です。
- サイドラインを踏み越えた場合
- 大将が自軍出陣ラインを踏み越えた場合
- 足軽が自軍大将ラインを踏み越えた場合
なお、ラインを踏んでいれば減点にならないようです。つい合戦に夢中になってラインを越えないように気をつけたいところですよね。
退場になるケース
雪球が当たって持ち点から減点されて持ち点「0」になったり、反則をしたりすると退場になります。
退場になった選手はコート外へ出て、試合が終わるまで出陣ラインの後方で待機します。
ゲームの勝敗
制限時間内に大将が退場となれば、チームの負けになります。
大将が残っている場合は残り人数の多いチームが勝ちとなります。
大将が退場するとチームが負けてしまうので、足軽は大将を守りながら攻撃しないといけませんね。足軽は常に前にも後ろにも気を配る必要があります。
以上、ざっくりですが小出国際雪合戦のルール説明でした。
小出国際雪合戦の起源
こいでこ雪合戦の起源は、戦国時代(1535年)までさかのぼります。
越後の「長尾為景」と「上杉定憲」の戦いです。
矢がなくなり、刀が折れてもなお、お互いの戦いは終わりませんでした。
すると、突然長尾氏は雪球を作り投げつけたのです。
その雪球が当たった上杉氏も雪球を投げ返しました。
これが「雪合戦」の始まりだったのです。
雪合戦以外での小出国際雪合戦の楽しみ方
コスプレをしながら試合に出るのは楽しいですが、小出国際雪合戦ではその他にチームのPRタイムや、コスプレ写真コンテスト、餅つき大会など大人も子供も一日中楽しめるイベントが盛りだくさんです。
大会に出るもよし、観戦を楽しむもよしの盛り上がること間違いなしの大会ですね。
なお、イベントは内容が変更になる可能性があります。
小出国際雪合戦の動画
小出国際雪合戦大会の動画をご紹介します。
実際に動画を見ることで雰囲気がつかめるかと思います。
第31回魚沼国際雪合戦大会↓
2018年小出雪まつり↓
1人につき持ち点が複数点あるので、ある程度当たる覚悟で投げあっていますね。なので、あまりシェルターで隠れるということはなく、終始お互い雪球を投げあっているといった状態です。
まとめ
- 小出国際雪合戦はのルールはユニーク
- 審判長が絶対的な権限を有する
- 雪合戦に参加しない人でも楽しめるイベントが盛りだくさん
小出国際雪合戦は独自のルールを採用して、見ている人と競技している人が楽しめるようなイベントです。
主催者の方々のアイデアと努力でこのような楽しい大会になったのでしょうね。
- 魚沼国際雪合戦大会 Rulebook 公式ルール https://seinenbu.uonumakoide.com/yuki/rule/index.html
- 魚沼国際雪合戦大会 Outline 大会概要
https://seinenbu.uonumakoide.com/yuki/outline/
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