油絵が乾く仕組みを解説【乾燥の段階・調節・その他絵具との比較】

  • 油絵が乾く仕組みが知りたい。
  • どうやって乾燥するのかな?
  • 水彩絵具やアクリル画と仕組みは同じなのかな?
  • 乾く時間を調節できるのかな?

こういった疑問に答えます。

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油絵が乾く仕組み、それは「油絵具の酸化重合」です

油絵が乾く仕組みは、油絵具の酸化重合です。

なにそれ?と思った方、下記に解説します。

酸化重合とは、具体的には…

  • 油絵具の内訳は、乾性油+顔料
  • 乾性油は、グリセリン+脂肪酸から成り立つ
  • 脂肪酸は、飽和脂肪酸+不飽和脂肪酸から成り立つ
  • 飽和脂肪酸→水素が十分にある
  • 不飽和脂肪酸→水素が不足している

上記のような感じです。

不飽和脂肪酸は水素が不足しているので、水素の代わりに空気中に含まれる酸素を取りこんで大きくなろうとします。

この大きくなろうとすることが酸化重合と言います。

ここではまだ不十分で、酸素を吸収した油の分子はくっつきあってさらに連鎖反応を続けて、最後は立体的なものになります。この状態が「完全乾燥」状態です。

なんとなくわかりますかね。

顔料によっても乾きに影響がある

顔料によって乾く速度が変わります。

具体的には、下記のような感じです。

  • 乾燥が速い→金属酸化物(顔料が乾燥促進を手伝う)、その他
  • 乾燥が遅い→有機顔料、活性の弱い金属の無機顔料
  • 乾燥を妨害→乾燥が遅いものは乾燥剤を入れてある

上記のような感じです。

ちなみに、

  • 有機顔料→石油などから合成した顔料
  • 無機顔料→天然鉱石や金属の化学反応によって得られた酸化物などから作られる

いずれにしても、油絵具メーカーはどの色も乾燥時間が同じになるように、調整してくれています。

ありがたく絵具を使いましょう。

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【油絵具以外】水彩絵具・アクリル絵具が乾く仕組み

一方、水彩絵具やアクリル絵具が乾く仕組みは「水分の蒸発」です。

もともと水彩絵具やアクリル絵具には水分が含まれています。

なので、描いた時厚みがあっても水分が蒸発すると平滑に仕上がります。逆に油絵具は、二酸化炭素などのガスは出ますが体積はほとんど変わらずにそのままの厚みで固まります。

  • 油絵が乾く仕組み→化学反応・体積はあまり変わらない
  • 水彩絵具やアクリル絵具が乾く仕組み→水分の蒸発・体積減る

上記のような感じです。

なので、油絵を描いたあとにドライヤーなんかで乾かそうとしても無駄な行為です。

むしろ、電気代がもったいないのでやめましょう。

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油絵の乾燥の4段階

油絵の乾燥の段階を見ていきましょう。

詳細は下記です。

  • 未乾燥→支持体に塗った時
  • 粘着乾燥→粘着性がある
  • 表面乾燥→表面に薄い膜が張る
  • 完全乾燥→指で押しても指紋が残らない

以上です。順番に解説します。

未乾燥

ここは初めて油絵具が空気と接触し、酸素の吸収が始まる時です。

この時はボカシや下層との混色、布で拭う修正が容易にできます。まさに油絵具の真骨頂です。なので、隣り合った色同士をぼかしたいならはじめの段階で試みましょう。

油絵具はこの未乾燥の状態が長いので、「いつ乾いてしまうか焦ってしまうな」という人は心に余裕をもって作業できます。

逆に、「まだ乾いていないのかな?」と乾燥しないことに焦る人は油絵が向いていないのかもです。そんな方は、塗った箇所に手をついて描きたいはず。完成を焦っているのであれば、水彩画やアクリル画が向いているかと。

といえ、油絵を描く時に画面に手を付いて描く場合は「右利きの人は画面の左上から順番に描く」という手もあります。ですが、毎回左上から右下に向かって描けるかというとそこは疑問です。

粘着乾燥

ここは指につくかつかないかの段階です。この辺になると、ボカシや布で拭う修正は難しくなってくるかと。ボカシや修正を行う場合は乾燥後に上から塗り直してぼかしたほうが良いかと思います。

表面乾燥

表面乾燥は指がすべる感じです。まだ中は乾いていない状態ですね。

この状態は「指触乾燥」とも言います。絵が完成していたら、指触乾燥の段階で塗れる仕上材は有効です。

完全乾燥

指で押してもへこまない状態です。最後の制作から半年から1年を要します。ここでほとんどの仕上材が塗れるはず。

完全乾燥してからタブローを塗ると言うことなしです。ここまで待てるのであればタブローを塗りましょう。

ちなみに、タブロースペシャルを塗ってからタブローを塗る方法もあります。いずれにしてもタブローを塗るには半年以上中までじっくり乾かします

とはいえ、指触乾燥したらタブロースペシャルを塗ればとりあえずは仕上材OKですね。

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乾く時間を調節できるか?

結論、乾く時間は調節できます。

下記のとおりです。

  • 乾きが速い条件→夏・薄塗り・リンシードオイル・乾燥促進剤・樹脂
  • 乾きが遅い条件→冬・厚塗り・ポピーオイル・その他オイル

上記のような感じで、調節可能です。

乾燥促進剤や樹脂は購入する必要ありです。

必要であれば画溶液も使ってみましょう。ただし、乾燥促進剤や樹脂は使いすぎに注意です。

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まとめ

油絵が乾く仕組みのまとめです。

  • 油絵が乾く仕組みは酸化重合
  • 水彩・アクリル画が乾く仕組みは水分の蒸発
  • 乾燥の段階は4段階
    • 未乾燥→ボカシやナイフ、修正が可能
    • 粘着乾燥→修正が難しくなる
    • 表面乾燥→重ね塗り、グレーズメイン
    • 完全乾燥→仕上材塗布可能

油絵具は乾きが遅いですが、固まり始めたら修正するまで2週間ほど乾かさないといけません。なので、はじめの段階でどんな絵を描きたいのかを計画してから描き始めましょう。

以上、油絵が乾く仕組みでした。

最後までご覧いただきありがとうございます。

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