この記事では次のことをお伝えします。
個展の予算が知りたい
今回は、個展の予算をざっくりとご説明いたします。
道具も材料も何もない、全くゼロの状態から油絵の個展をやるための予算を具体的な店舗名と購入した商品名をお見せしながらご紹介します。
また、中には個展で使わなかったものも含まれています。「会期中には買いに行けないから、買っておかないと」と思ったものです。
個展にはお金と時間がかかります。
すぐに「来週個展やろう」とはいきません。
大体の金額がわかると「いつごろに個展をやろう」といった目安にもなるかと思います。
今回は、油絵での個展開催についてですが、あなたの技法と照らし合わせて考えていただけると幸いです。
- 油絵の個展だけで予算約17万円、0から始めると約22万円(私の場合)
- 「後日郵送」で大半が予算削減
- 個展のクオリティはピンきりだけど、後悔だけはしないで!
もし続きが気になる場合は、記事を読み進めてみてください。
★もくじ★
個展予算「油絵」の場合
油絵を道具や材料を集めるところからだと約218,000円かかります。
表が大きすぎて見づらいですが、上の方に合計金額と、お店、カテゴリがあり、下の方にそれぞれの小計が表示されています。
個展だけやる場合の金額は、約167,300円です。
個展開催で代表的な金額
個展開催で多くを占めた項目は以下です。
- 会場代:42,000円(1週間)
- 印刷代(DM・ポストカードなど):30,300円
- 額縁代:24,800円
- 黄袋代:12,000円
- インク代:9,400円
大きなところで言うと上記のような感じです。
順番に解説します。
会場代
会場代は1週間単位ですが、4日間の会期でした。
ここは減らしようのないところです。
なお、会場の集客力の有無や在廊の有無、期間の長さ、会場のタイプ、立地、会場の広さによっても変わってきます。
一方、作家の集客力でも変わります。
会場代をおさえる方法
高いイメージがある会場代ですが、無料で展示できるギャラリーもあります。
支出の多くを占める会場代ですので、無料でできるのは大きいです。条件によっては無料になる場合があるので、それらの会場に申し込んでも良さそうですね。
またカフェギャラリーでは、ギャラリーとはちがい、安く展示できる場所もあるようです。ギャラリーは、まとめて場所を借りて毎日通いながら会場に在廊しないといけません。
しかし、カフェギャラリーは基本的にはカフェの従業員の方がお店を開け閉めしてくれます。
なので、会期中毎日在廊しなくても展示できる可能性が高いです。また、カフェには常連さんもいらっしゃる可能性が高いので新しい絵が飾られるとすぐに気づくはずです。
ちなみにギャラリーは、自分で負担する「貸しギャラリー」とギャラリーが負担する「企画ギャラリー」があるようです。
無名の作家は貸しギャラリーで、ギャラリーに目をつけられると企画ギャラリーに呼んでもらえるようですよ。
印刷代(DM・ポストカードなど)
印刷物は初めのうちは自分で作る必要がありますが、会場が用意してくれる場合もあります。しかし、最初のうちは全て自分でやってみたほうが良いです。
理由は、自分の経験となるからです。
印刷は印刷屋さんにお願いするか、自宅のプリンタで作成するかどちらかを決めましょう。
私は、ラクスルさんにお願いしました。
購入した項目は以下です。
- 名刺
- DM
- ポストカード
- パンフレット
- お礼状
DMやポストカードは何回かにわけて注文したのでややかかりすぎた感じです。また、同じお礼状でもお送りする相手によってデザインを変えたりしました。
DM・ポストカード・パンフレット・名刺は、無料でご来廊者にお渡ししました。
印刷代をおさえる方法
金額がかかってしまうのは、印刷物が足りなくなって追加で印刷依頼することです。送料や手数料が注文した分だけかかってしまいます。なので、印刷物は一度にすべて注文すると良いと思います。
また、ポストカードの注文をなくしたり、販売したりすれば予算をおさえられると思います。パンフレットは注文しなくても良いですね。
額縁代
今回の個展では比較的安価な額縁を使用しました。
なので、額縁の数は30点ほどでしたがそんなにかかっていないイメージです。
しかし、「売れたか?」と言われれば絵は売れてはいません。
これより高い額縁や、オーダーメイドの額縁を用意すると倍以上の値段になるのではないかと思います。
額縁があると展示がしやすいですし、迫力が出ます。また、一般の方だと額装した絵は別のものに見えているようですね。なので、販売目的の方は額縁はしたほうが良いのかもしれません。
額縁代をおさえる方法
額代をおさえたければ作品を小さくして、100円ショップなどで購入するとさらに安くできるかと思います。
あとは、耐久性や見た目を考慮して用意しましょう。
一方、額装せずに額なしでも展示することは可能です。ただし、表面が傷つかないように搬入のときから気をつける必要があります。
黄袋代
黄袋は額装したすべての作品に入れたので、結構かかりました。
黄袋代をおさえる方法
黄袋代をおさえるには、売れなかったから言えることですが「売れてから用意しても良かったかな」と思います。
すべて「後日郵送」にして売れた分だけ作れば良いだけですからね。
ちなみに黄袋は黄袋代をおさえるため、購入した生地で自作しました。
インク代
インクは、家庭用プリンタで使用したものです。
- ポートフォリオ
- キャプション
- 解説文のボード
- パネル類
- プレスリリース
などで使用しました。
インクを使うことで、紙・粘着シート・スチレンボードも使いますね。
インク代をおさえる方法
インク代をおさえるには、パネル類の数をおさえるくらいでしょうか。
白黒印刷にする方法もありますが、殺風景になるのであればカラーのほうが良いと思います。
準備したけれど使わなかったもの
個展のために購入したけれど結局使わなかったものをご紹介します。
私は特に初めてだったため、当日なくて困らないように準備できるものは準備しました。ですが、これをご覧になり予算をおさえられるものはおさえましょう。
- ひっつき虫
- 金庫
- 切手
- 収入印紙
- 手提げ袋
- リボン
などです。
「準備したけれど使わなかったもの」の予算をおさえる方法
「準備したけれど、使わなかったもの」の予算をおさえる方法は「後日郵送」にすることで解決できます。
私は初個展で「会場で販売までしよう」という考えで頭がいっぱいでした。
ただし、ひっつき虫は致し方ない部分だったと思います。会場を復元することを考えていて、キャプションを虫ピンで取り付けるか、ひっつき虫で取り付けるかという問題がありましたし、A看板にはどうやって付けたら剥がれずかつ復元できるかを考えて会場に聞きました。
結果的にキャプションや解説文のボードには虫ピン、A看板には持っていた養生テープで取り付けました。これは、会場の方にご指示いただきました。
ですので、必要な出費だったかと思います。
個展の予算を回収するには売り上げることを考える
個展をやるなら会場代と材料費分を売り上げて、さらに欲を言えば次回の展示の足しになるくらいまで売り上げたいところです。
私は、今回絵が売れなかったので、次回もう少し小さめの絵を増やし、手応えのあった風景画の割合を多くして展示できればと考えています。
個展の予算で注意したい「グッズ販売」
今回は、グッズの販売は行わずに絵画販売のみを目的とした個展でした。
なので、グッズは製作していません。ただし、自分を知ってもらうために作品ポストカードやパンフレットをご来廊者にお渡ししました。
グッズ販売すると購入してくれる可能性があります。
しかし、グッズ販売をすると絵が売れない可能性があります。なので、グッズ販売をする場合は数量や価格も考慮して販売すると良いです。
とはいえ、いきなりあなたの絵が売れると焦ってしまうので、グッズ販売をして販売することに慣れておくのも良いのかな?とも思います。
なお、グッズ販売ができるかどうかは事前に会場に確認しておきましょう。また、販売によってマージンが発生する会場もあります。グッズが売れてもマージンが発生する場合は、制作費と販売価格の差で赤字にならないような設定が必要です。
後悔しない個展にしよう
お金はかけても、かけなくても一回の個展は一回です。
DMは紙の質や発送までの日数で金額が変わったり、額縁も色や素材、大きさによっても金額は変わります。
また、個展をしたからといって初めての場合は絵が全部売れたりすることは少ないと思います。ですので、個展では何がやりたいのかを決め、それに向かって全力でやれば良いと思います。
つまり予算をおさえても、予算をかけても「なんであのときあれをしなかったのかな」と後悔しないような個展にしてほしいと思います。
せっかくギャラリーを借りて自分だけの世界を作るのですからね。
「やってよかったな」と思える個展にしましょう!
まとめ
- 油絵の個展だけで予算約17万円、0から始めると約22万円(私の場合)
- 「後日郵送」で大半が予算削減
- 個展のクオリティはピンきりだけど、後悔だけはしないで!
今回は、油絵の個展開催にかかる予算を材料を集めるところからご紹介しました。
会場代や額縁は比較的安価でしたが、ポストカードに多くかかった印象でした。
切り詰めるか、豪華にいくのか個展によってもやり方が変わってくるかと思います。
また、初めての個展となれば間違って材料を購入してしまったり、直前になって細々としたものが必要になり予算を越えるかもしれません。
ですので、いくらか分余裕を持って考えておきたいところです。
この記事が参考になれば幸いです。