- 油絵の黒色は少し黒色の印象が強すぎ
るから黒色を別の色の絵具で作りたい - 黒色の濁りを避けるために他の色で黒
色を作りたい
そういう方のために、この記事を書きまし
た。
実際に私が混色した様子を写真付きで解説
していますので、黒色以外で混色した色が
黒色に見えるのか?あなたの目で確かめて
みてくださいね。
よかったら、私と一緒に油絵の「黒色を他
の色で作る方法」について勉強していきま
しょう。
「黒色以外で黒色の作り方」の前に黒色の特徴ざっくり
他の色で黒色を作る前に、黒色の特徴をざ
っくりご説明したいと思います。
油絵具の黒色は使うのが難しいと言われて
います。その理由は、
- たくさん使ってしまうと絵が黒っぽく
濁ってしまうから
絵が濁るとは?
- 黒以外の色が黒色と混ざったときに、
黒以外の色の鮮やかさ(本来の赤色や
黄色)が落ちて色が濁って見えるよう
になる
ということです。
でも単色で黒色を使ったり、はじめから黒
色と他の色を混ぜて他の色を濁らせること
を狙って使えば、
- 黒色を使いこなせている
ということになりますよね。
油絵の黒色のことをもう少し知りたい方は
こちらの記事をご覧ください↓↓↓
油絵の黒を使わないで黒色を作る方法2つ
はじめに申し上げますが、混色で黒色を作
る場合、
- 黒色のチューブから出した黒色のように
真っ黒な黒色は作れませんのでご注意く
ださいませ。
あくまでも「黒に近い色」と思っていただ
ければと思います。
真っ黒な黒色を使いたい場合は、やはり
- 黒色のチューブを使われる
ことをおすすめします。
また、「油絵具の黒色以外の混色で真っ黒
な黒色を作れる方法」をご存知の方は、私
に是非!是非とも教えてください!記事に
しますので(笑)
それではここで油絵の黒色を使わずに、他
の色で黒色を作る方法をご紹介いたしま
す。
やり方は、
- それぞれの油絵具をパレットの、それ
ぞれ違う場所に絞り出す - チューブから油絵具を絞り出したらパ
レットナイフを持ち、それぞれの絵具
をチューブから絞り出した油絵具の3
分の1くらいの量をパレットナイフで
すくい取り混色するスペースに移動さ
せる - 色ムラがないようにパレットナイフを
左右に往復させて混ぜていく
という流れで油絵具を混ぜていきます。
どの色を使って混色で黒色を表現するかと
言いますと、
- 三原色の油絵具で黒色を作る方法
- 補色同士の油絵具を混ぜて黒色を作る
方法
この2つをご紹介していきます。
三原色で黒色を作ろう!
まずは三原色の油絵具で黒色を作る方法で
す。
三原色とは、
- 色の三原色のことで赤・青・黄で、正
確にはシアン(cyan)・マゼンタ(mag
enta)・イエロー(yellow)のことです。
また、三原色のそれぞれの色は
- シアン(cyan)=緑みがある明るい青色
- マゼンタ(magennta)=あざやかな赤紫
- イエロー(yellow)=あざやかな黄
などと表現されています。
使用する道具・材料は
- 油絵具の赤色・青色・黄色のチューブ
- パレット
- パレットナイフ
以上です。
油絵具は、「水に溶ける油絵具デュオ」を
使用しました。デュオ(Duo)は「ホルベイ
ン」という画材の製造販売メーカーから販
売されています。
今回使用した油絵具の色の名前は、
- 赤色はカドミウムレッド
- 青色はフタロブルー
- 黄色はカドミウムイエローライトヒュ
ー
です。
油絵具は硬いので、色を混ぜるときにはパ
レットナイフを使用して絵具を混ぜていき
ます。
筆で混ぜても良いのですが、筆が絵具の粘
りに負けてしまって筆が傷みます。お気に
入りの筆を長い期間使用したい場合にはパ
レットナイフを使うなどして筆を傷めない
ようにしましょう。
筆が傷んでしまうと
- 筆の穂先が買った時とは違った方向に
広がってしまって自分が思ったとおり
の範囲に色が塗れなくなる。結果、絵
が描けなくなる
ということになってしまうので、パレット
ナイフを使用した方が良いかと思います。
●油絵のパレットナイフの説明●
それでは先程説明した流れに沿ってやって
いきましょう。
黒色を作る三原色の混色のやり方1
それぞれの油絵具をパレットの、それぞれ
違う場所に絞り出す
まずはパレットにそれぞれの油絵具のチュ
ーブから油絵具を絞り出します。
黒色を作る三原色の混色のやり方2
チューブから油絵具を絞り出したらパレッ
トナイフを持ち、それぞれの絵具をチュー
ブから絞り出した絵具の3分の1くらいの
量をパレットナイフですくい取り混色する
同じスペースに移動させる
今回使用した絵具で言いますと、
- 赤色のカドミウムレッドを3分の1
- 青色のフタロブルーを3分の1
- 黄色のカドミウムイエローライトヒュ
ーを3分の1
を同じスペースに移動させる
という具合です。
パレットナイフで混色のスペースに移動さ
せる油絵具の量は全量でなければ4分の1
でも2分の1でも良いと思います。
ただし初めから全部混色するつもりで油絵
具を全てすくい取ってしまうと、黒色に混
色するための色の微調整ができなくなって
しまいます。
赤色・青色・黄色それぞれの油絵具を最初
にチューブから絞り出したスペースに少し
残しておくことをおすすめします。
また、私は今回の混色ではやっていません
が赤色の油絵具をパレットナイフですくい
取り、次に赤色が付いたパレットナイフで
青色のパレットナイフをすくい取る際、最
初にパレットナイフに付いた赤色の油絵具
が青色の油絵に赤色が付くのに抵抗がある
方は、
- 赤色の油絵具をパレットナイフですく
い取ったら一度ティッシュやペーパー
タオル、ボロ布などにぬぐってから、
青色の油絵具をパレットナイフですく
い取る
ことをすれば良いと思います。
黒色を作る三原色の混色のやり方3
色ムラがないようにパレットナイフを左右
に往復させて混ぜていく
3色の油絵具を混色のスペース1箇所に集め
たら、パレットナイフで練っていきます。
油絵具は硬く、色を混ぜるときにパレット
ナイフを少し浮かせて色を混ぜるため、パ
レット表面の色が混ざらないまま残ってい
る状態になってしまいます。
上の方で混色できたと思っていても下の方
の見えない部分が混ざっていなかったりす
るので、パレットナイフをパレットに当て
るように左右に何度も往復させて混ぜてい
きましょう。
ムラなく色を混ぜ終わって、
黄色っぽいなと思ったら青色を足し、赤っ
ぽいなと思ったら青色を足していきます。
下の写真は上の3つに置いてあるのが、左
から赤色のカドミウムレッド、真ん中が青
色のフタロブルー、右が黄色のカドミウム
イエローライトヒューです。
3色の下にある色が3色を混ぜて混色で作
った黒色です。
補色で黒色を作る方法
補色と言って色あいを環状(色の具合を輪
っか状にした表)に配置した図(色相環)
の、正反対にあるもの同士を混ぜると黒
色になります。
下のような図です。
補色同士で色を混ぜていくやり方は三原色
を混ぜるときと全く同じで、
- それぞれの油絵具をパレットの、それ
ぞれ違う場所に絞り出す - チューブから油絵具を絞り出したら
パレットナイフを持ち、2色それぞれの
絵具をチューブから絞り出した油絵具
の3分の1くらいの量をパレットナイフで
すくい取り混色するスペースに移動させ
る - 色ムラがないようにパレットナイフを左
右に往復させて混ぜていく
いじょうです。
色を混ぜる量によって偏りますが、
例えば赤の補色の緑と混ぜて黒を作る場
合、2色の油絵具を混ぜて
- 赤っぽいなと思ったら緑色を
- 緑っぽいなと思ったら赤色を
少し足して調節して黒色に近づけます。
感覚で申し訳ないのですが、緑色を多めに
して、赤色を少なめにすると黒に近づくと
思います。
緑色と赤色の割合を大体7:3ぐらいで混
ぜると良いと思います。逆に赤色が多いと
赤色の性格が出て、茶色っぽい絵具になっ
てしまいます。
今回混ぜた補色の色は、
- 赤色はカドミウムレッド
- 緑色はプルシャングリーン
を使用しました。
因みに緑色のプルシャングリーンは、同じ
く緑色のカドミウムグリーンより渋い色を
しています。
- カドミウムグリーンは鮮やかな緑色
- プルシャングリーンは渋い緑色
ということになるでしょうか。
鮮やかというと
- 明るくてはっきりしている
状態で、
渋いとは
- 地味で落ち着いた状態
です。
下の写真は左が緑色のプルシャングリー
ン、右が赤色のカドミウムレッドをパレッ
トに絞り出した様子です。
そして、緑色のプルシャングリーンと赤色
のカドミウムレッドをパレット上で混ぜた
状態が下の写真です。
緑色のプルシャングリーンをほとんど使用
しましたが、赤色のカドミウムレッドは多
めに残っています。
自分が「一番黒色に近いな」と思った色に
仕上げていきます。
まとめ
黒色以外の色で混色して黒色を作ると真っ
黒にはならないものの、
- やや青みがかった黒色や
- やや緑がかった黒色を
作ることができます。
「黒色のチューブから出した黒色では何か
陰・影っぽくみえないな」「黒色のチュー
ブから出した黒だと黒すぎるな」と感じた
とき、
たとえば赤色の陰は赤色の要素を残して、
赤色に緑色を足していって徐々に赤色を暗
くしていくと赤の要素が入った陰になると
思います。
是非、少しの量で黒色以外の黒色を表現し
てみてくださいね。
最後までお読みくださいましてありがとう
ございます。