- 油絵の黒色は少し黒色の印象が強すぎ
るから黒色を別の色の絵具で作りたい - 黒色の濁りを避けるために他の色で黒
色を作りたい
そういう方のために、この記事を書きまし
た。
実際に私が混色した様子を写真付きで解説
していますので、黒色以外で混色した色が
黒色に見えるのか?あなたの目で確かめて
みてくださいね。
よかったら、私と一緒に油絵の「黒色を他
の色で作る方法」について勉強していきま
しょう。
「黒色以外で黒色の作り方」の前に黒色の特徴ざっくり
![](https://i0.wp.com/takeshi58.com/wp-content/uploads/2019/06/b2d9f547a80892b4ca9359fa89ffe58e.png?resize=728%2C545&ssl=1)
他の色で黒色を作る前に、黒色の特徴をざ
っくりご説明したいと思います。
油絵具の黒色は使うのが難しいと言われて
います。その理由は、
- たくさん使ってしまうと絵が黒っぽく
濁ってしまうから
絵が濁るとは?
- 黒以外の色が黒色と混ざったときに、
黒以外の色の鮮やかさ(本来の赤色や
黄色)が落ちて色が濁って見えるよう
になる
ということです。
でも単色で黒色を使ったり、はじめから黒
色と他の色を混ぜて他の色を濁らせること
を狙って使えば、
- 黒色を使いこなせている
ということになりますよね。
油絵の黒色のことをもう少し知りたい方は
こちらの記事をご覧ください↓↓↓
油絵の黒を使わないで黒色を作る方法2つ
はじめに申し上げますが、混色で黒色を作
る場合、
- 黒色のチューブから出した黒色のように
真っ黒な黒色は作れませんのでご注意く
ださいませ。
あくまでも「黒に近い色」と思っていただ
ければと思います。
真っ黒な黒色を使いたい場合は、やはり
- 黒色のチューブを使われる
ことをおすすめします。
また、「油絵具の黒色以外の混色で真っ黒
な黒色を作れる方法」をご存知の方は、私
に是非!是非とも教えてください!記事に
しますので(笑)
それではここで油絵の黒色を使わずに、他
の色で黒色を作る方法をご紹介いたしま
す。
やり方は、
- それぞれの油絵具をパレットの、それ
ぞれ違う場所に絞り出す - チューブから油絵具を絞り出したらパ
レットナイフを持ち、それぞれの絵具
をチューブから絞り出した油絵具の3
分の1くらいの量をパレットナイフで
すくい取り混色するスペースに移動さ
せる - 色ムラがないようにパレットナイフを
左右に往復させて混ぜていく
という流れで油絵具を混ぜていきます。
どの色を使って混色で黒色を表現するかと
言いますと、
- 三原色の油絵具で黒色を作る方法
- 補色同士の油絵具を混ぜて黒色を作る
方法
この2つをご紹介していきます。
三原色で黒色を作ろう!
まずは三原色の油絵具で黒色を作る方法で
す。
三原色とは、
- 色の三原色のことで赤・青・黄で、正
確にはシアン(cyan)・マゼンタ(mag
enta)・イエロー(yellow)のことです。
また、三原色のそれぞれの色は
- シアン(cyan)=緑みがある明るい青色
- マゼンタ(magennta)=あざやかな赤紫
- イエロー(yellow)=あざやかな黄
などと表現されています。
使用する道具・材料は
- 油絵具の赤色・青色・黄色のチューブ
- パレット
- パレットナイフ
以上です。
油絵具は、「水に溶ける油絵具デュオ」を
使用しました。デュオ(Duo)は「ホルベイ
ン」という画材の製造販売メーカーから販
売されています。
今回使用した油絵具の色の名前は、
- 赤色はカドミウムレッド
- 青色はフタロブルー
- 黄色はカドミウムイエローライトヒュ
ー
です。
油絵具は硬いので、色を混ぜるときにはパ
レットナイフを使用して絵具を混ぜていき
ます。
筆で混ぜても良いのですが、筆が絵具の粘
りに負けてしまって筆が傷みます。お気に
入りの筆を長い期間使用したい場合にはパ
レットナイフを使うなどして筆を傷めない
ようにしましょう。
筆が傷んでしまうと
- 筆の穂先が買った時とは違った方向に
広がってしまって自分が思ったとおり
の範囲に色が塗れなくなる。結果、絵
が描けなくなる
ということになってしまうので、パレット
ナイフを使用した方が良いかと思います。
●油絵のパレットナイフの説明●
それでは先程説明した流れに沿ってやって
いきましょう。
黒色を作る三原色の混色のやり方1
それぞれの油絵具をパレットの、それぞれ
違う場所に絞り出す
まずはパレットにそれぞれの油絵具のチュ
ーブから油絵具を絞り出します。
![](https://i0.wp.com/takeshi58.com/wp-content/uploads/2019/07/8b60a50fa1476d0b471ec385097c3927.png?resize=728%2C545&ssl=1)
黒色を作る三原色の混色のやり方2
チューブから油絵具を絞り出したらパレッ
トナイフを持ち、それぞれの絵具をチュー
ブから絞り出した絵具の3分の1くらいの
量をパレットナイフですくい取り混色する
同じスペースに移動させる
今回使用した絵具で言いますと、
- 赤色のカドミウムレッドを3分の1
- 青色のフタロブルーを3分の1
- 黄色のカドミウムイエローライトヒュ
ーを3分の1
を同じスペースに移動させる
という具合です。
![](https://i0.wp.com/takeshi58.com/wp-content/uploads/2019/07/445c4a9bc9679c3dd71ff86d2038d4ea.png?resize=728%2C545&ssl=1)
パレットナイフで混色のスペースに移動さ
せる油絵具の量は全量でなければ4分の1
でも2分の1でも良いと思います。
ただし初めから全部混色するつもりで油絵
具を全てすくい取ってしまうと、黒色に混
色するための色の微調整ができなくなって
しまいます。
赤色・青色・黄色それぞれの油絵具を最初
にチューブから絞り出したスペースに少し
残しておくことをおすすめします。
また、私は今回の混色ではやっていません
が赤色の油絵具をパレットナイフですくい
取り、次に赤色が付いたパレットナイフで
青色のパレットナイフをすくい取る際、最
初にパレットナイフに付いた赤色の油絵具
が青色の油絵に赤色が付くのに抵抗がある
方は、
- 赤色の油絵具をパレットナイフですく
い取ったら一度ティッシュやペーパー
タオル、ボロ布などにぬぐってから、
青色の油絵具をパレットナイフですく
い取る
ことをすれば良いと思います。
黒色を作る三原色の混色のやり方3
色ムラがないようにパレットナイフを左右
に往復させて混ぜていく
3色の油絵具を混色のスペース1箇所に集め
たら、パレットナイフで練っていきます。
![](https://i0.wp.com/takeshi58.com/wp-content/uploads/2019/07/69d99c6667057940cd0a07c60a99511e.png?resize=728%2C545&ssl=1)
油絵具は硬く、色を混ぜるときにパレット
ナイフを少し浮かせて色を混ぜるため、パ
レット表面の色が混ざらないまま残ってい
る状態になってしまいます。
上の方で混色できたと思っていても下の方
の見えない部分が混ざっていなかったりす
るので、パレットナイフをパレットに当て
るように左右に何度も往復させて混ぜてい
きましょう。
ムラなく色を混ぜ終わって、
黄色っぽいなと思ったら青色を足し、赤っ
ぽいなと思ったら青色を足していきます。
下の写真は上の3つに置いてあるのが、左
から赤色のカドミウムレッド、真ん中が青
色のフタロブルー、右が黄色のカドミウム
イエローライトヒューです。
3色の下にある色が3色を混ぜて混色で作
った黒色です。
![](https://i0.wp.com/takeshi58.com/wp-content/uploads/2019/07/339990ca096e4e961cb926128f1a55aa.png?resize=728%2C545&ssl=1)
補色で黒色を作る方法
補色と言って色あいを環状(色の具合を輪
っか状にした表)に配置した図(色相環)
の、正反対にあるもの同士を混ぜると黒
色になります。
下のような図です。
![](https://i0.wp.com/takeshi58.com/wp-content/uploads/2019/07/d9e7dc0ce0c08371c8705c47e7012f22.png?resize=728%2C545&ssl=1)
補色同士で色を混ぜていくやり方は三原色
を混ぜるときと全く同じで、
- それぞれの油絵具をパレットの、それ
ぞれ違う場所に絞り出す - チューブから油絵具を絞り出したら
パレットナイフを持ち、2色それぞれの
絵具をチューブから絞り出した油絵具
の3分の1くらいの量をパレットナイフで
すくい取り混色するスペースに移動させ
る - 色ムラがないようにパレットナイフを左
右に往復させて混ぜていく
いじょうです。
色を混ぜる量によって偏りますが、
例えば赤の補色の緑と混ぜて黒を作る場
合、2色の油絵具を混ぜて
- 赤っぽいなと思ったら緑色を
- 緑っぽいなと思ったら赤色を
少し足して調節して黒色に近づけます。
感覚で申し訳ないのですが、緑色を多めに
して、赤色を少なめにすると黒に近づくと
思います。
緑色と赤色の割合を大体7:3ぐらいで混
ぜると良いと思います。逆に赤色が多いと
赤色の性格が出て、茶色っぽい絵具になっ
てしまいます。
今回混ぜた補色の色は、
![](https://i0.wp.com/takeshi58.com/wp-content/uploads/2019/07/223568f99e8d46c7348f37dc98c9fbc3.png?resize=728%2C545&ssl=1)
- 赤色はカドミウムレッド
- 緑色はプルシャングリーン
を使用しました。
因みに緑色のプルシャングリーンは、同じ
く緑色のカドミウムグリーンより渋い色を
しています。
- カドミウムグリーンは鮮やかな緑色
- プルシャングリーンは渋い緑色
ということになるでしょうか。
鮮やかというと
- 明るくてはっきりしている
状態で、
渋いとは
- 地味で落ち着いた状態
です。
下の写真は左が緑色のプルシャングリー
ン、右が赤色のカドミウムレッドをパレッ
トに絞り出した様子です。
![](https://i0.wp.com/takeshi58.com/wp-content/uploads/2019/07/e0712e1e54303d4c11bea58a158567fe.png?resize=728%2C545&ssl=1)
そして、緑色のプルシャングリーンと赤色
のカドミウムレッドをパレット上で混ぜた
状態が下の写真です。
緑色のプルシャングリーンをほとんど使用
しましたが、赤色のカドミウムレッドは多
めに残っています。
![](https://i0.wp.com/takeshi58.com/wp-content/uploads/2019/07/6b05bdb468d62a9f2c3f28547f6124ae.png?resize=728%2C545&ssl=1)
自分が「一番黒色に近いな」と思った色に
仕上げていきます。
まとめ
黒色以外の色で混色して黒色を作ると真っ
黒にはならないものの、
- やや青みがかった黒色や
- やや緑がかった黒色を
作ることができます。
「黒色のチューブから出した黒色では何か
陰・影っぽくみえないな」「黒色のチュー
ブから出した黒だと黒すぎるな」と感じた
とき、
たとえば赤色の陰は赤色の要素を残して、
赤色に緑色を足していって徐々に赤色を暗
くしていくと赤の要素が入った陰になると
思います。
是非、少しの量で黒色以外の黒色を表現し
てみてくださいね。
最後までお読みくださいましてありがとう
ございます。