油絵を描いたことがない方や、油絵を描く
手順が曖昧な方のために
油絵の描き方の手順を
- 支持体選びから仕上げ材を塗るところ
まで
解説していきます。
これでとりあえずは油絵が描けるというこ
とになると思います。
よかったら私と一緒に「油絵の描き方の手
順」を勉強していきましょう。
★もくじ★
油絵を描く場合は道具や材料を揃えることが必須です
油絵を描く場合は、道具や材料を全部揃え
ましょう。
道具や材料を全部揃える理由は、油絵具の
代用は他の絵具ではできないからです。
アクリル絵具はすぐ乾き(何分かの世界で
乾きます)、油絵具は遅く乾きます(何日か
の世界で乾きます)。
絵具の乾きの差がある時点で他の絵具とは
違うことがわかります。また、油絵具は水
には溶けないので油絵専用の画用液という
ものが必要になります。
アクリル絵具で油絵風に絵を描く人がいら
っしゃいますが、油絵風で絵を描くとして
もアクリル画の技法を習得してからできる
技法だと思いますので、時間がかかること
だと思っています。
それに、アクリル絵具で絵を描けるならア
クリル画を極めたほうが良いかと思いま
す。
ですので、油絵を描きたい場合はまず油絵
の道具や材料を全部揃えましょう。
油絵の描き方の流れ
油絵を描く手順の全体の流れをご説明して
いきます。
大体10工程ぐらい行えば油絵が完成します。
以下油絵制作工程です。
- 支持体選び
- 支持体を用意
- モチーフ選び
- 地塗り
- 下描き
- 下描きの定着
- 下塗り
- 描き込み
- 仕上げ
- 仕上材塗布
ここから油絵の描き方です。
道具や材料が揃ったら、油絵制作の流れを
見ていきましょう。
まだ道具や材料が揃っていなくても、油絵
制作の流れをイメージしてみてください。
実際一通りやってみても、簡単にできると
思います。
支持体選び
それでは、支持体選びからまいりましょ
う。
支持体(読み=しじたい)とは
- 支持体とは絵画を支える役割を果たし
ます。
実際のもので言うと、「キャンバス」や
「木製パネル」のような材料のことです。
今後あなたが油絵を描いていく上で「描き
やすさ」は重要になってきますので、材料
を無駄にしないためにも早めに支持体を決
めて制作に取り組みましょう。
選び方のポイント
油絵の支持体は、キャンバスや木製パネル
に描くことが多いと思います。
支持体が変わっても、描き方の手順はほぼ
同じです。
今回は、「木製パネル」を支持体として、
油絵を描いていく手順をご紹介します。
支持体を用意する
支持体を用意します。今回の支持体は木製
パネルです。
画材屋さんかインターネットをうまく利用しよう
支持体を購入する順番としては、画材屋さ
ん→インターネットの順番で支持体を見て
確認してから、画材屋さんかインターネッ
トどちらか一方で購入します。
画材屋さんでは支持体の大きさや手触りを
確認します。画材屋さんで目的の支持体が
あれば画材屋さんで購入し、画材屋さんで
目的の支持体がなければインターネットで
購入します。
送料無料に惑わされない
インターネットで購入する場合は、送料が
かかる可能性が高いので、送料も頭に入れ
ておいたほうが良いです。
なお、インターネットで買い物するときネ
ットショップによっては「○○円以上ご購
入で送料無料」などと説明が出るサイトが
あります。
あと200円払えば送料無料になるという状
況なら、支持体をもう一枚追加注文すれば
良いと思いますが、絵の作風や大きさが定
まっていない状況で送料無料を狙って300
0円、5000円頑張って追加注文しなくても
良いと思います。
- あくまでも今必要な数だけ注文する意
識で材料を揃える
上記の考え方でいくと材料が無駄にならず
に済みます。
インターネットで木製パネルを買う方法
木製パネルの場合は、インターネットのグ
ーグルの検索窓に
- 「画材□シナベニヤ」(□はスペース
で空白という意味です) - 「木製パネル」
などと文字を入力して検索するとインター
ネット通信販売の検索結果が出てきます。
インターネットの検索結果のタイトルに、
「パネルのサイズ」や、「通販」などと書
かれているページは大体通信販売のホーム
ページなので、タップしてお好みの木製パ
ネルが売っているか確認します。
商品に「ラワンベニヤ」と表示されること
があるかもしれませんが、ラワンベニヤで
はなくシナベニヤを注文してください。
油絵にラワンベニヤは使わないでくださ
い。
尚、木製パネルについては
を御覧くださいませ。ラワンベニヤを使っ
てはいけない理由も記載しております。
モチーフ選び
支持体選びが終わったら、、、
次はモチーフ選びです。
モチーフとは
- 作品の主題、つまり作品の中心になる
内容
のことです。
あなたが動物の犬を描きたければ、
- 「犬」がモチーフ
となります。
絵を描く場合モチーフはフリー画像をベースに描こう!【条件つき】
絵を描く場合、モチーフはフリー画像をベ
ースに絵を描いていきましょう。
ただし、条件がありまして「普段お仕事を
されていて忙しい方はフリー画像をベース
に絵を描いていきましょう。」となりま
す。
また、ご家族がいらっしゃってお子様が小
さかったり、学生の方でも「外へ出ていっ
てモチーフの撮影に行くのは大変だ」とい
う方もフリー画像を利用してみるのが良い
と思います。
フリー画像をベースに絵を描いていく理由
は、普段お仕事をされていると忙しくて絵
のモチーフを探しに行く時間がないという
ことになります。
「ゆくゆくは画家を目指したいんだけど」
という場合はなおさら、会社員を続けなが
ら早朝や休みの日に絵を量産したいところ
です。
なので取材で疲れて仕事に悪い影響が出て
は意味がありません。そして、今度は描く
絵に悪い影響が出てきます。
というわけで、実物を探しに行く撮影の取
材を抑えてモチーフはフリー画像をベース
に絵を描いていきましょう。
フリー画像のサイトを以下に載せておきま
す。
各フリー画像サイトに新規登録していただ
きまして、検索窓に描きたいモチーフを入
力していくと検索した画像が出てきます。
pixabayは日本語を入力すると検索してく
れますが、Unsplashは英語を入力しない
と検索してくれません。
Unsplashで検索する場合の例としては
”花”で検索するのではなく、”flower”と入
力して検索します。
モチーフを見る方法は3パターン
モチーフを見る方法は以下の3パターンで
す。
- 実物を見る
- スマートフォン、パソコンなどのデジ
タル画面を見る - プリントアウトした紙を見る
実物を見る
実物を見る場合、
- 家の外にいてモチーフが太陽の光の影
響をモロに受けるのか - 家の中にいて太陽の光を遮ってモチー
フにライトを当てているのか
によってモチーフの見え方が変わってきま
す。
太陽の光の影響をモロに受ける環境だった
ら、時間帯や季節によってモチーフの見え
方が変わってきます。
また、モチーフが生き物だったら犬のよう
に動いていたり、花のように枯れてしまっ
たりします。
なるべく同じ条件で実物を見て絵を描きた
いところです。
スマートフォン、パソコンなどのデジタル画面を見る
デジタル画面を見ながら絵を描くことの利
点は以下のとおりです。
- 自分で撮りためた写真をデジタル画面
を見ながら絵を描くことができる - フリーの画像を見ながら絵を描くこと
ができる
しかし、欠点もあります。
- 平面なので奥行きがわからない
奥行きがわからないということは最悪の
場合、
- 立体的に描けない
特にフリーの画像を見て絵を描く場合です
と、自分がモチーフをみて撮影したわけで
はないので、実物を知らないということに
なります。
結果、奥行きがわからなくて立体的に描け
ないという事態に陥ります。
また、デジタル画面はカメラやスマートフ
ォンというフィルタを通して見ているの
で、以下の欠点もあります。
- 色がモチーフ本来の色ではない
- モチーフの形が実物より歪んで見えて
いる可能性
上記のような欠点があります。
因みにフィルタとは、実物の要素を弱める
働きをしているという意味だと思っていま
す。
ここではフィルタがない状態は以下の状態
と考えます。
- 見る人→実物
フィルタがある状態が以下の状態と考えま
す。
- 見る人→カメラやスマートフォン→実
物
上記のようにカメラやスマートフォンが、
見る人と実物の間にフィルタとして入るの
で「ストレートに実物を見ているわけでは
ない」ということになります。
因みに実物と見る人の間にフィルタがない
状態でも以下のことが考えられます。
実物を見る人が疲れていたり、年齢や環
境、経験によっても実物の見え方が変わ
ってきます。
あなたのフィルタを通して実物を見て、
他の人には描けない絵が描けたら素晴ら
しいですね。
プリントアウトした紙を見る
プリントアウトした紙を見ながら絵を描く
方法です。
画像の鮮明度、紙の質、プリンタの性能な
どにより見え方が変わってきます。
先ほどのフィルタの話をしますと、
- 見る人→紙→プリンタ→デジタル画像
→実物
上記のようにフィルタがかかりすぎて、実
物の要素が崩れていきそうなことが予想で
きると思います。
つまり、実物のようにはっきりとは見えな
くなるということになります。
また、プリンタの調子によってプリントア
ウトした紙に筋が入っていたりするので、
見る人が印刷物に完璧を求めるなら実物、
デジタル画像、プリンタ、紙の状態を全て
整えていく必要が出てきます。
例えば
- カメラなら一眼レフカメラを用意した
り - 紙に印刷の筋が入らないようにプリン
タのテスト印刷を行ったり
モチーフを見る方法で一番良いと思うの
は、
- 「モチーフは実物を用意して実物を見
ながら、実物の写真も撮っていつでも
描ける状態にする。」
ことではないかなと思います。
実物を見ているので、立体感もわかります
しモチーフの本当の色もわかります。さら
に写真に撮っておくことでいつでも絵を描
くことができます。
モチーフの見方【おすすめ】
もし撮影の取材をして実物の絵を描きたい
場合は、近所に咲いている花や、近くの風
景をカメラで撮影して自宅で絵を描くこと
をおすすめします。
また、自宅で実物を見て絵を描く場合は
- 生の花を一輪だけ買って自宅で生の花
を描く
ことをおすすめします。
比較的値段が安いですし、実物を描くこと
になるからです。
生の花は枯れる前にカメラで撮影しておく
ことをおすすめします。これでいつでも花
の絵を描くことができます。
地塗り
モチーフが決まったら、地塗りをしていき
ましょう。
地塗りの役割は支持体の布地や木の部分の
酸化を防ぐということです。
今回は木製パネルにジェッソという下地材
を塗ります。
下地材は様々ありますが、
- 少しトロトロとした液状(塗りやすい)
- 筆で塗れる
- 3日程の乾燥で下描きを始められる
以上の点から「ジェッソ」を使っていま
す。
因みに私が使ったことがある下地材は、ジ
ェッソとモデリングペーストです。
モデリングペーストは、ジェッソより硬さ
があります。硬さの表現としてはモデリン
グペーストの袋から絞り出したら形が崩れ
ないぐらいの硬さです。
モデリングペーストを塗るときの道具は筆
ではなくペインティングナイフを使いま
す。
何も塗っていない木製パネルにモデリング
ペーストを隙間なく塗るのは難しいです。
因みに隙間なく塗らないといけない理由は
先ほど申し上げたとおり、油絵具が木製パ
ネルに直接触れてしまうと木製パネルの酸
化の恐れがあるからです。
なので、木製パネルを下地材でガードして
から油絵具を塗る必要があります。
以下下地材のジェッソのご紹介です↓↓↓
下は標準粒子タイプのジェッソです。この
ジェッソがあれば下地材は十分です。詰替
用ですが、私は詰替用のままガラス容器に
注いで使用しています。何に詰めるかわか
らないくらいです(笑)
下描き
下描きを行います。 やり方は2通りあり
ます。
- 1つ目は鉛筆や木炭で下描きをする方
法 - 2つ目は油絵具で下描きをする方法
鉛筆で濃い線を引くと、あとから鉛筆の線
が目立つことがあるみたいなので下描きの
線が目立たないようにするには下記のよう
に下描きを行います。
- 鉛筆を使って下描きする場合はあまり
線を濃く描かないようにする - 木炭で下描きする
- 油絵具で下描きする
油絵を初めたばかりのうちはまだ下描きに
慣れていないので、
鉛筆を使って鉛筆で力を入れて鉛筆の色が
濃くなりすぎないように、鉛筆の筆圧で木
製パネルが凹まないように鉛筆の色を薄
く、鉛筆の筆圧を優しく下描きすれば良い
と思います。
下描きの定着
下描きの定着にはフィキサチーフを使用し
ます。
フィキサチーフとは定着液のことです。
定着とは木炭や鉛筆など、粉状の画材で描
いた線を定着液が覆ってくれて、絵具と木
炭や鉛筆が混ざって油絵具の濁りを防いで
くれます。
定着液のタイプは液体とスプレータイプが
ありますが、スプレータイプがおすすめで
す。
定着液の使い方(スプレータイプ)
スプレータイプの定着液使い方のご説明で
す。
支持体に向かって鉛筆や木炭で描いた
下描きの部分をスプレーノズルを押し
て軽く、薄く噴射させれば良いです。
支持体に吹き付けた定着液が乾いたら下描
きの定着完了です。
下塗り
次に下塗りを行います。
下塗りの目的は、その後の油絵具の発色
を良くすることです。また、下塗りは絵
に統一感をだすことだとも思っています。
下塗りの材料や道具
- 材料は揮発性油、油絵具
- 道具はガラス容器、筆や刷毛
以上が下塗りで使う材料や道具です。
下塗りのやり方
下塗りのやり方は、
- 容器に揮発性油を入れる
- 次に揮発性油を入れた容器の縁に油絵
具を少しつける - 筆に揮発性油を含ませる
- さきほど容器の縁に出した油絵具を揮
発性油を含ませた筆に少しつける - 容器の下に溜まっている揮発性油と混
ぜて薄めていく
色の調節は、油絵具を筆につける加减で行
っていきます。
容器に絞り出す油絵具の色は、お好みです
が温かみのある絵にしたい場合は赤色やベ
ージュっぽい色を選びます。
逆に冷たい感じの絵にしたい場合は青色や
緑色などを使うと良いと思います。
下塗りに使う色を調節したら支持体に塗っ
ていきます。画面全体を1つの色で覆い隠
す感覚で塗っていきます。
下塗りが乾いたら下塗り完了です。揮発性
油は乾きが早いので2時間ぐらい経てば、
下塗りが乾いていると思います。
油絵の下塗りのことを「おつゆがき」と言
うのですが、油絵を描く人はおつゆがきを
しよう!という記事を描いているので、よ
ろしければご覧くださいませ。
描き込み
下塗りまで完成したので、ようやく本格的
に油絵を描くことができるわけです。
油絵の描き方
いきなりチューブから出した油絵具を厚く
塗ってしまっては、
- 支持体に凹凸ができて絵が描きづらく
なります
なので油絵具の厚さは描き始めは薄く、色
を徐々に濃くしていったほうが良いと思い
ます。
個人的には何度も何度も薄めの油絵具で描
いていって、描き方が体に染み込んでいく
作用があるとも思っています。
油絵を描く時の道具や材料
油絵を描くときは、
- 油絵具
- ペインティングオイル
- 乾性油
- パレット
- 筆
- パレットナイフ
- 筆洗油
- ティッシュ(またはボロ布)
- ビニール袋
- 容器
などを使用します。
私は乾性油は持っておらず、ペインティン
グオイルのみ使っています。
油絵を描く場合オイルは、揮発性油とペイ
ンティングオイルがあると油絵が描けま
す。
油絵の簡単な描き方
油絵の簡単な描き方としては、
豚毛の筆に油絵具をつけて、支持体に塗っ
ていきます。
上記が簡単な油絵の描き方です。
なにが簡単かといいますと、ペインティン
グオイルや乾性油を使う手間を省いて油絵
を描いているということです。
欠点は
- 油絵具がチューブから出したそのまま
の固さなので細かい部分が描き込めな
いし、油絵具が厚く塗られてしまう点
です。
油絵具を薄く塗ることもできますが、支持
体に油絵具を塗った後、何度か豚毛の筆を
なでて均さないと薄く塗れません。
尚、油絵具の色を変えるときは、筆につ
いている油絵具をティッシュやボロ布に
拭い、筆洗油に筆を入れ、筆を洗いま
す。
今度は筆についている筆洗油をティッシ
ュやボロ布に拭います。筆についた筆洗
油を落としたら、再び筆に油絵具をつけ
て先ほどとは別の色で塗っていきます。
レビュー記事:【水可溶性油絵具デュオ】入門油絵具はコレ!初めてでも手軽で簡単な理由
油絵の(手間が増えるけど)細かく描ける描き方
じゃあどうすれば筆で均さずに塗れるかと
言いますと、
- オイルを使って油絵を描く
ということです。
オイルとは、ペインティングオイルや乾性
油のことです。
ペインティングオイルや乾性油は、水彩画
やアクリル画でいう「水」のことです。
水彩画やアクリル画で細い線を描く時、絵
具の粘りを水で溶いて細い筆で描いていく
と思いますが、油絵の場合は絵具の粘りを
オイルで溶いて細い筆で描いていく要領で
絵を描いていきます。を使っていきます。
チューブから出したままの油絵具で絵を描
くには硬さがあり、均一に塗るまで時間が
かかりますが、オイルを使うと油絵具がオ
イルに溶けて柔らかくなるので、柔らかい
毛の筆でも色を塗ることができます。
また、油絵具が柔らかくなるので色が伸び
るし、細い線も描けるようになります。
それでは、さきほどご紹介した油絵の簡単
な描き方のどこの部分にオイルの工程を組
み込んでいくかと言いますと、以下のよう
な工程で「オイルを使った油絵の描き方」
ができます。
油絵の簡単なペインティングオイルを使
った描き方としては、豚毛の筆柔らかい
筆でも良いので筆にペインティングオイ
ルをつけてから油絵具をつけて、支持体
に塗っていきます。
油絵具の色を変えるときは、筆について
いる油絵具をティッシュやボロ布に拭
い、筆洗油に筆を入れ、筆を洗います。
今度は筆についている筆洗油をティッシ
ュやボロ布に拭います。筆についた筆洗
油を落としたら、再び筆にペインティン
グオイルをつけてから油絵具をつけて先
ほどとは別の色で塗っていきます。
これが簡単なペインティングオイルを使
った油絵の描き方です。
ペインティングオイルを使用することによ
って作業工程が1つ増えるので、ペインテ
ィングオイルや乾性油を買う手間と、ペイ
ンティングオイルや乾性油を使う手間を
「簡単ではない」という考え方で油絵の描
き方をご説明しました。
油絵をやっていきたい方は下塗りに使う揮
発性油、描き込みに使うペインティングオ
イルは一本ずつ持っていると便利かと思い
ます。
初めは慣れないので使いづらいかもしれま
せんが、慣れてくるとオイルなしでは塗れ
なくなるかもしれません。
仕上げ
仕上げのご説明です。
仕上げは細かい部分を描いていき、
- 修正部分がないか
- 全体を見ておかしなところがないか
を確認します。
また、ぼかしたいところがぼかされている
か?濁りが甘くないか?なども確認しま
す。
もし完成を焦っているようでしたら一度絵
を描くことから離れて、次の日にでも完成
させましょう。経験上、焦って良いことは
ありませんでしたので。
自分が納得できる状態になったら絵の完成
です。
油絵が完成したら乾かしましょう。
誰にも触れられないような場所に置いて一
週間ぐらいは触らずに置 いておきましょ
う。
仕上材塗布
仕上材を塗ります。 描いた油絵の表面を
指で触り、油絵具が指につかなかったら塗
ることができる仕上材を使うと便利です。
油絵の仕上材「タブロースペシャル」の塗
り方の動画をご覧になりたい方は下記から
ご覧くださいませ。
仕上材とは、作品を保護してくれて、絵の
表面の艶を調整して統一感を出してくれる
ものです。
油絵の制作のときにペインティングオイル
や乾性油を使っていくと、ペインティング
オイルや乾性油を使う量によって描いたと
ころの艶がまちまちになります。
描き終わった油絵をライトで照らして、支
持体を左右に傾けてみるとわかりますが、
艶があって光が反射している部分、艶がな
くて光が反射しない部分があることがわか
ると思います。
仕上材を使うと全面、艶があってピカピカ
反射するように仕上げることができます。
仕上材のおすすめはタブロースペシャルで
す。指触乾燥段階で塗布できる仕上材で
す。
因みに「指触」の読み方は「ししょく」で
す。
指先で軽く触って油絵具が指につかない乾
燥状態のことです。
油絵具にもより季節にもよりますが、指触
乾燥段階は大体最後に油絵を描いてから7
~10日くらいの時間がかかります。
夏は油絵具の乾燥が早く、冬は油絵具の乾
燥が遅いです。
仕上材を塗るときの道具と材料
仕上材を塗るときに用意する道具と材料
は、
- 筆または刷毛
- 容器
- 仕上材(タブロースペシャル)
- 完成した絵
です。
仕上材を塗る手順
仕上材を塗る手順です。
- 容器にタブロースペシャルを入れる
- 筆や刷毛をタブロースペシャルにつけ
る - タブロースペシャルを完成した絵にま
んべんなく塗る - 乾かす
まずは容器にタブロースペシャルを入れま
す。容器に入れたタブロースペシャルが余
ってしまわないように、少しずつ使ってい
きましょう。
最初は1枚の絵を仕上材でコーティングす
ることを目指しましょう。タブロースペシ
ャルは液体ですが、ドロッとしているので
油断すると容器に出しすぎるかもしれませ
ん。
なので気をつけてゆっくり注ぎます。
タブロースペシャルを容器に入れたら筆や
刷毛をタブロースペシャルに浸け、完成し
た絵にそのまま塗ってください。少しの量
でも伸びてタブロースペシャルがキャンバ
スに行き渡ります。
含みが良い刷毛だったらSMサイズ(227㎜
✕158㎜)の支持体なら一度つけたタブロー
スペシャルを再び刷毛に浸けなくても塗り
きれる感覚です。
なので、タブロースペシャルを容器に注ぐ
ときは少なすぎるぐらいがちょうど良いと
思います。
仕上材を塗る場所
仕上材を塗る場所です。
このコーナーを設けた理由は、
- タブロースペシャルは臭いがすごい
からです。
ご家族がいらっしゃる場合は臭いがもとで
クレームにならないようにしたいところで
す。
できればホコリが舞わないような屋外や臭
いでクレームが出ない室内がおすすめで
す。
因みに臭いは、お魚を焼いたようなそれで
いて石油系の臭いがしました。私は少し鼻
が悪いほうですが、それでも臭います。
絵に塗ったタブロースペシャルが乾けばあ
る程度臭いが治まるので、室内に入れても
大丈夫です。
仕上材の乾燥時間
タブロースペシャルの乾燥時間です。私が
塗った時の感覚ですと
- 冬は3日、夏は半日ぐらいを目安
にしていただければ絵に塗ったタブロース
ペシャルは大体乾いていると思います。
完成
仕上材が乾いたら完成です。
絵は 画面保護されていますので、とりあ
えずは立て掛けて飾れると思います。
お疲れさまでした。
慣れない作業の上、「油絵を1枚描くのは
時間がかかるんだな」と結構大変に思うか
もしれませんね。
とりあえずは全体の流れをつかめたので、
あとは作業工程を繰り返し行って自分のも
のにしていきましょう。
まとめ
支持体選びから仕上材塗布まで一通り油絵
を描く工程をご説明しました。
油絵を全く描いたことがない方はわからな
いことだらけで大変かもしれませんが、と
りあえずは今回ご紹介したやり方で油絵が
描けますので、油絵を描き始めた方は繰り
返し取り組んでみてください。
また本やインターネット、または画材屋さ
んで教えてもらってわかる部分があると思
います。
例えば
本で一通り油絵の知識を入れる→
実際に油絵を描く→
また同じ本を読む
上記のような流れで油絵を描いてみると、
より油絵の描き方の理解が深まると思いま
す。
油絵を描く前はアクリル絵具を使って絵を
描いていて、細い線を描くときにはアクリ
ル絵具に水をつけ当たり前に細い線を描い
ていました。
その後油絵を描きはじめ、油絵を描いた最
初のころは油絵具にペインティングオイル
を使わず、油絵具をチューブから出したま
まで支持体に豚毛の筆で塗っていました。
油絵は厚塗りをするものだと思い込んでい
たからです。
ところが絵を描くとき細かい線が描けなく
てイライラしてしまっていました。
そこで、ペインティングオイルを使って油
絵を描いてみました。そしたら細い線が描
けるようになりました。
なんでも使ってみないとわからないので、
最小限の支出で小さなことをコツコツ挑戦
していきたいですね。
最後までお読みくださいましてありがとう
ございます。