この記事では次のことをお伝えします。
油絵の下塗りをアクリルで施す方法が知りたい
油絵の下塗りにアクリル絵の具を使えば、それぞれの利点を活かして表現の幅や制作時間が短縮できます。
ただし、必ず守らなければならない決まりが存在します。
- 油絵が乗りやすいアクリル材料を使用しよう
- アクリル絵の具は油絵制作の最下層にしか使えない
- アクリル絵の具と油絵具のいいとこ取りをしよう
もし続きが気になる場合は、記事を読み進めてみてください。
★もくじ★
油絵の下塗りにはアクリル絵の具を使えるのか
油絵の下塗りには、アクリル絵の具を使うことができます。
条件は以下の通りです。
- キャンバスは「油彩・アクリル兼用」を使用する
- 吸収してくれるアクリル材料を使う
- 3日以上乾かす
キャンバスは「油彩・アクリル兼用」を使用する
キャンバスは「油彩・アクリル兼用」を使用しましょう。
「油彩専用」のキャンバスには油絵を描くためだけの地塗りが施されているからです。
吸収してくれるアクリル材料を使う
アクリル絵の具のメディウムを使ったりすると表面が滑らかになりすぎて、油絵具を吸収してくれません。
なので、結果的に絵の具が剥がれやすくなります。
下塗りに使うアクリル絵の具の材料は、ジェッソやアクリル絵の具くらいにとどめましょう。
3日以上乾かす
油絵具より乾くのが早いアクリル絵の具ですが、最後に描いた後、完全に乾くまで3日かかります。
画面に水分が残ったまま油絵を描いた場合、年月が経つと絵の具が剥がれ落ちる可能性があります。
油絵制作の下塗りだけに使えるアクリル絵の具
下地材であるジェッソも含めて、アクリル絵の具は油絵と併用できます。
ただし、最下層にアクリル絵の具を塗った後はアクリル絵の具を片付けましょう。
- 最下層:アクリル絵の具
- 上層:油絵具
- 最下層:アクリル絵の具
- 下層:油絵具
- 下層:アクリル絵の具✕
- 最上層:油絵具
油絵具の層の上にアクリル絵の具を乗せることができません。理由ははじいたり、アクリル絵の具が剥がれてしまう可能性があるからです。
アクリル絵の具を下塗りに使う方法
アクリル絵の具を下塗りに使う方法は以下です。
- 下地材に使う
- グリザイユやカマイユに使う
- ほぼ完成の状態にする
下地材に使う
下地材にアクリル絵の具や下地材(ジェッソ)を使えば、その日のうちに何層にも重ねることができます。
ジェッソを塗った後、1時間ほど乾かしてから上層を塗ります。層を重ねてから丸3日乾燥させれば、油絵が描けます。
グリザイユやカマイユに使う
アクリル絵の具でグリザイユやカマイユをしておけば、あとは油絵具を使用してグレーズすることができます。
こうすれば、油絵具でグリザイユするときより乾かす時間が短縮できます。
ほぼ完成の状態にする
グリザイユやカマイユだけでなく、アクリル絵の具でグレーズをしたり細かい描写をしてから油絵具を使えば、仕上げだけに油絵具を使っただけで油絵が完成します。
アクリル絵の具を油絵の下塗りに使うメリット
アクリル絵の具を油絵の下塗りに使うメリットは以下です。
絵を描く時間の間隔を短縮できる
絵を描く時間の間隔を短縮することができます。
- アクリル絵の具:3日
- 油絵具:7日ほど
以上です。
なので、最下層であるアクリル絵の具の完成度が高ければ、大幅に制作時間を減らすことができますね。
それぞれの特長を活かせる
アクリル絵の具を油絵の下塗りに使えば、それぞれの特長を活かして使用することができます。
- アクリル絵の具:乾きやすい=その日のうちにどんどん重ねられる、はっきりと色分けできる
- 油絵具:乾きにくい=盛り上げ、ぼかし、布での拭き取りができる
このように、アクリル絵の具の乾きやすい特長を活かして、下塗りでどんどん描いていってある程度の形や陰影をつけて乾燥させます。
そのあと、上層に油絵具で細かい描写をしていけばそれぞれの特長を活かして描いたことになります。
まとめ
- 油絵が乗りやすいアクリル材料を使用しよう
- アクリル絵の具は油絵制作の最下層にしか使えない
- アクリル絵の具と油絵具のいいとこ取りをしよう
アクリル絵の具は油絵より乾きが速い画材です。
効率的に下塗りできますが、どちらの描き心地が自分に合っているかでどの程度アクリル絵の具で下塗りするかも基準のひとつにしてみてはいかがでしょうか。