油絵具の黒色の濁りが心配なんだけれど、
どのくらい濁るのか知りたい。
という方のために記事を描きました。
油絵具の黒色の濁りの簡単な実験をしてい
ます。
また、黒色の濁りを意識した絵のことも記
事にしました。写真付きでご紹介していま
すので、ぜひご覧くださいね。
それでは、私と一緒に油絵具の黒色の濁り
について勉強していきましょう!
★もくじ★
油絵具の黒色、黒色以外の混色で作った濁りの検証
油絵具、黒色の濁り検証の目的
黒色は濁るから他の絵具と混ぜると、他の
絵具の色の鮮やかさが減少してしまうとい
うお話をしました。
それでは
- 油絵具の黒色はどのぐらい濁るのか?
- また、黒色以外の油絵具で混色して作
った黒色はどのぐらい濁るのか?
を検証してみたいと思います。
油絵具、黒色の濁り検証のやり方
それでは、油絵具の黒色の濁り検証のやり
方をご説明いたします。
- 木製パネルに下地材を塗る
- 下地材が乾いたら、油絵具の白色の線
を、筆で地面と平行に塗る - 最後に油絵具の白色の線の下に、油絵
具の白色の線に重なるように黒色、ま
たは混色で作った黒色をそれぞれ1か
ら3回ぐらい白色の線と平行に塗って
いく
以上のやり方で、油絵具の白色と黒色の重
なりでどのくらい色が濁るのかを見ていき
ます。
下に写真を載せていますので、あなたの目
で確かめてみてくださいね。
①木製パネルに下地材を塗る
まずは、木製パネルに下地材を塗ります。
今回はモデリングペーストという下地材を
使用して、下地を作りました、、、。
モデリングペーストをご存知の方は、「モ
デリングペーストって茶色かったっけ?
と、思われる方がいるかもしれません。
今回は試しにモデリングペーストに、カラ
ージェッソというジェッソに色がついた下
地材を混ぜてみました。
しかし木製パネルに下地材を塗るときはモ
デリングペーストとジェッソの両方を混ぜ
る必要はなく、
- モデリングペーストのみ下地材にする
- またはジェッソだけを下地材にする
だけでOKなので、ご安心ください。
下地材は一つだけ使えば大丈夫です。
因みに、木製パネルに下地材を塗る目的は
「木製パネルの〇〇を防ぐため」です。
濁りの検証に戻ります。
②油絵具を白色の線で横に塗っていく
下地材が乾いたら、油絵具の白色の線を横
に平筆で塗っていきます。
なお、油絵具の白色「チタニウムホワイ
ト」の
- 絵具の厚さ、絵具の量
- 水の量※
はそれぞれ均一ではありません。
③黒色、または混色で作った黒色を塗っていく
最後に油絵具の白色の線の下に、油絵具の
白色の線に重なるように黒色、または混色
で作った黒色をそれぞれ1から3回ぐらい
白色の線と平行に平筆で塗っていきます。
黒色、または混色で作った黒色を塗り終え
ました。
下の写真の一番下の黒色が「アイボリブラ
ック」という油絵具の黒色を使用して板に
塗りました。
アイボリブラック以外の黒色は全て混色に
よって作った黒色で白色の下に塗っていま
す。
因みに、白色同様
- 絵具の厚さ、絵具の量
- 水の量※
はそれぞれ均一ではありません。
※今回は「水に溶ける油絵具」を使用した
ので、「水の量」と書きました。
普通の油絵具を使用した場合は「水の量」
の部分に、「ペインティングオイルの量」
や「乾性油の量」があてはまります。
油絵の黒色、混色で作った黒色の濁りの検証結果!
それでは検証結果です。
結論
- 油絵具の白色と、黒色との濁り
- 油絵具の白色と、混色で作った黒色と
の濁り
に大きな差は見られませんでした。
もう一度お伝えしますが、
- 油絵具の白色に混ぜた水の量※
- 白色の絵具の厚さ、絵具の量
- 油絵具の黒色に混ぜた水の量
- 黒色の絵具の厚さ、絵具の量
はそれぞれ均一ではありません。
※水に溶ける油絵具を使用したので、「水
の量」と書きました。
普通の油絵具を使用した場合は「水の量」
の部分に、「ペインティングオイルの量」
や「乾性油の量」があてはまります。
【実際の絵で】油絵具の黒色、2つの油絵から濁りの検証
それでは、ここから実際に油絵で描いた黒
色がどのように他の絵具と混ざって濁って
いるのか、私が描いた絵でご覧いただきま
しょう。
下に2枚の油絵をご用意いたしました。2
枚の油絵は、いずれもはじから油絵具の黒
色と黒色以外の色を濁らせるつもりで、キ
ャンバス上で筆を使って色を混ぜていま
す。
【1枚目】油絵具で絵の洋服(黒色)と背景(黒色以外の色)を濁らせた
まずは、初級編です。
油絵具で人物画の洋服と人物の背景を描
き、洋服の黒色と背景、つまり黒色以外の
色をキャンバス上で筆を使って混ぜまし
た。
絵は下の写真の絵です。
人物画の洋服には油絵具の「アイボリブラ
ック」という名前の黒色の絵具を使ってい
ます。
- 洋服の黒色と、
- 背景のピンク色を
キャンバス上で、筆を使ってそれぞれの絵
具を混ぜました。
油絵具の黒色と背景のピンク色を混ぜたこ
とによって、黒色とピンク色それぞれの色
がぼかされて境が曖昧になり、やわらかい
表現になっています。
全体的に
顔の周辺は色の境が混ぜられてぼかされて
いるので、やわらかい表現になり、絵を見
た人の目線が、
- 境目がぼかされていなく、はっきり描
かれている顔に集中される効果
があると思います。
下の写真は、黒色、ピンク色を濁らせた部
分に矢印を記しています。
油絵具の黒色と背景のピンク色を混ぜた様
子を拡大すると、下の写真のようになりま
す。
1枚目、油絵具の黒色のアイボリブラック
という名前の絵具と背景のピンク色をキャ
ンバス上で、筆を使って混ぜた濁りの絵の
ご紹介でした。
【2枚目】油絵具で絵の洋服(黒色)と背景(黒色以外の色)を濁らせた
今度は、少し難易度があがります。
- 洋服と背景、
- 洋服の黒色と洋服の中の「光に当たっ
ている部分」
を意識して濁らせて描いていきます。
早速黒色の濁りを意識した絵を御覧いただ
きましょう。下の絵です。
洋服といえばいいのか衣装といえばいいの
かよくわからないのですが、描いた絵の洋
服はパーティーで着ていくような特別な衣
装の印象でした。
洋服のイメージは
- 色が黒くて、鳥の羽のようにふわふわ
しています。 - 洋服のふわふわと背景の色が混ざり合
うぐらいの柔らかい雰囲気がありま
す。 - そして、洋服を見た人が洋服を見る角
度によってふわふわした部分に光があ
たり、チラチラところどころ黒色が光
っているように見える
そんなイメージを持って絵を描いていきま
した。
下の写真の番号を付けた部分が、黒色(ア
イボリブラックという名前の油絵具)に他
の色を混ぜて、黒色を濁らせた部分です。
洋服の柔らかさを表現するために、洋服の
黒色と背景の色を積極的に混ぜて、
- 黒色と背景が濁ってぼかされることに
よって
柔らかい雰囲気を出すことを意識しまし
た。
絵の中で言いますと上の絵の①・②・⑥の
ような濁りを指しています。
また、洋服が光を受けて明るくなっている
部分は、白色と紫色を混ぜてキャンバスの
上で黒色と混ぜました。
上の絵の中で言いますと、③・④・⑤とい
った濁りのことです。
絵を描くときの筆の動きは、あまりキャン
バスに筆の毛の部分を押し付けないで、な
るべくキャンバスから筆先を離して優しく
描きました。
筆をキャンバスに強く当てすぎると色がは
っきり出てしまって濁らせることができな
くなります。
例えば、今回の絵の場合ですと
- 黒色の上に載せたい白色と紫色を混ぜ
た色が黒色を覆い隠してしまい、白色
と紫色だけが、黒色と濁らずに塗られ
てしまう状態
です。
以下は上の絵の濁り部分を大きくした拡大
写真です。
因みに「濁る」とは
ここでは
- 他の色が混ざって本来の色でなくなる
ということなので、
- 洋服の黒色が濁って黒色ではなくなる
し、背景のベージュの色も黒色と混ざ
ってベージュではなくなる
ということになります。
⑥の絵は黒色と背景の色が徐々に混ざって
いる印象もあるので、ぼかしの要素が含ま
れているのかもしれません。
「ぼかし」とは
- 色の境や輪郭などをはっきりさせずに
あいまいな表現
ということです。
まとめ
今回は、
油絵具の白色の絵具「チタニウムホワイ
ト」と、黒色の絵具「アイボリブラック」
または黒色以外で作った混色の黒色との濁
り具合
をご覧いただきました。
また2枚の絵をご覧いただき、
黒色の油絵具「アイボリブラック」と他の
色を意識的に濁らせた状態
をご覧いただきました。
黒色を使って様々な色と混ぜて塗り重ねて
みると、面白い濁りの効果があると思いま
す。
黒色でも何でもそうですが、1枚のキャン
バスの上で1つの絵具を使いすぎると色が
偏ってしまいますので、適量の絵具を使っ
てバランス良い色の画面を作っていけたら
と思います。
なお、油絵具の黒色に関しましては油絵具
の黒色のご紹介もしておりますので、よろ
しければ
油絵具の黒色の4種類の記事
もご覧くださいませ。
最後までお読みくださり、ありがとうござ
います。