油絵を描くときのデッサンのコツ【画面の見方や描き方、芯の硬さや消す時】

  • 油絵を描くときのデッサンのコツはあるのかな?
  • このあと着彩したいけど、どのぐらい描いたらスムーズに色が塗れるかな?

こんな悩みに答えていきます。

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油絵を描くときのデッサンのコツ

油絵を描くときのデッサンのコツ

結論は、画面全体を見て大きく描いてから部分の修正を加えていきます。

理由は、絵がまとまるからです。絵がまとまるとは…

  • 計画した構図通りの絵

上記のとおりです。

逆に、はじめから細部を描きこんでしまうと画面に収まらない絵になり、結果予定とはちがった構図の絵が完成してしまいます。

具体的には…

  • 画面と距離をとる   
  • 曲げていた肘を伸ばし気味に描く
  • なるべく手首を固定して描く

上記のとおりです。

このような描き方をするだけで全体を見渡せて、結果的には計画した構図通りの絵を描くことができます。

いやいや、「僕は細密画を描きたいから画面に近づけないと描けないよ。」という人がいるかもですが、細かい部分は最後に描き込めば問題ないです。

なので、はじめの段階では画面との距離をとって全体を見ながらデッサンしましょう。はじめは難しいかもしれませんが、そのうち離れて見ることが当たり前になります。

線が確定する前の描き方

線が確定する前の描き方

デッサンは先が決まるまで薄く何本も描いていきましょう。

理由は2つあります。

  • 理由1・修正が大変だから
  • 理由2・筆跡が残ってしまうから
  • 理由3・線は一発で描けないから

順番に解説します。

理由1・修正が大変だから

  • 消すこと
  • 画面が濁る    

上記が大変になります。

理由は、濃く描いているからです。

消そうとすると、薄くするまで手間がかかります。また、消す回数が増えると他の部分も消してしまうリスクが出てくるし、画面が濁る可能性もあります。

理由2・筆跡が残ってしまうから

デッサンの線は薄く描きましょう。

筆圧が強いと支持体が凹んでしまう恐れがあるからです。

具体的に、木製パネルに使われているシナベニヤは表面が柔らかいので簡単に跡がついてしまいます。

一度ついてしまった跡はもとに戻りません。

なので、デッサンの線は薄く描いて、徐々に決めていきましょう。 

理由3・線は一発で描けないから

一発では思った通りの線が描けないからです。

具体的には…

  • まんまるを描く時
  • 斜めの線を描く時

まだまだ他にもありますが、上記のような感じです。

なので、線が決まるまで薄く描いて完成に近づけましょう。

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芯の硬さ

芯の硬さ

結論、HBぐらいがおすすめです。

理由は2つあります。

  • 理由1・硬すぎると支持体が傷つく可能性がある
  • 理由2・柔らかすぎると芯がボロボロと落ちて画面が濁りやすくなる

上記の通りです。

なので、HBぐらいの芯の硬さでデッサンすれば良いです。

線の濃淡

線の濃淡

線の濃淡の表現で芯の硬さは変えません。

理由は、2つのやり方を使えば一本で事足りるからです。

具体的には…

  1. ハッチングの線の重なり具合
  2. 筆圧を変える

なので、芯の硬さは変えずに一本で表現します。

芯の太さ

芯の太さ

0.5㎜~0.7㎜がおすすめです。

理由は2つ。

  1. 細すぎると芯が折れるから
  2. 太すぎると細部が描けなくなるから

順番に解説します。

理由1:細すぎると芯が折れるから

油絵の支持体は、紙と違い表面が硬めです。

具体的には…

  • 木製パネルは木
  • キャンバスは麻

上記のような感じです。

硬さがあるし、凹凸もあります。

また、下地材を塗れば乾いた刷毛の跡も凹凸になります。

理由2:太すぎると細部が描けなくなるから

理由2は、イメージでわかるかと思います。

例えば…

  • 細い線を描こうと思っても芯が太ければ線が太くなってしまう

上記のようなイメージです。

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鉛筆はおすすめしない理由

鉛筆はおすすめしない理由

初心者の方は、とりあえずシャープペンシルから始めましょう。

理由は、鉛筆はデメリットがあるからです。

具体的には…

  1. 鉛筆を削る手間がある
  2. 描いていくと芯が太る       

上記のとおりです。

順番に解説します。

1.鉛筆を削る手間がある    

鉛筆を削る手間は結構ストレスです。

理由は、作業がストップするから。

作業がストップするとどうなるかと言いますと… 

   

  • 集中が途切れる
  • 制作時間が減る

逆に「鉛筆を削って集中力が上がるまたは気分転換になって良い。」という方は鉛筆を使えば良いかと思いますが、作業が中断し、制作時間が減るのは間違いありません。

なので、結果的に鉛筆を削る手間はストレスを感じるかと思います。

2.描いていくと芯が太る

結論、同じ太さで描けなくなってしまいます。

理由は、デッサンを描いていると芯が削れて先の太さが変わるからです。そして、線が太ると鉛筆を削る手間が発生します。

なので、あまり鉛筆はおすすめしません。

とはいえ、

  1. 鉛筆を削る手間がある
  2. 描いていくと芯が太る       

上記の問題解決を

  • 予め複数本の鉛筆を削っておく

上記のように用意しておくと、鉛筆でも良いです。

鉛筆は、以下のようなメリットがあります。

  • 軽い
  • 六角形なので滑らずに描ける

シャープペンシルが良いか鉛筆が良いか検討してみてください。

三菱鉛筆 uni H〜HB

カステル グラファイト鉛筆HB

デッサンのときの持ち方

デッサンのときの持ち方

鉛筆持ちで大丈夫です。

理由は、鉛筆持ちで油絵を完成させているからです。

具体的には…

  • 支持体をテーブルに置いている状態でも
  • イーゼルに立てかけている状態でも

イーゼルに立てかけて描いたことがない人は、なかなか難しいと感じるかもしれませんが、結局は慣れです。

なので、デッサンは鉛筆持ちで問題ないです。

グラフギア1000 PG1015 0.5mm

グラフギア1000 PG1017 0.7mm

デッサンで消すとき

デッサンで消すとき

結論は、消しゴムではなくネリゴムを使いましょう。

理由は3つあります。

  • 理由1:ネリゴム自体の形を変えられるから
  • 理由2:消すときに具合を調節できるから
  • 理由3:消さない部分が濁らないから       

順番に解説します。

理由1:ネリゴム自体の形を変えられるから

ネリゴムは好きな大きさに変えて消すことができます。

理由は、柔らかく、ちぎったりくっつけたりすることができるからです。     

具体的なやり方は…

  • 細い部分を消す時は、ねじって細くして押し当てる
  • 広い面を消す場合は、平らにつぶして押し当てる

なので、好きな大きさに変えて消すことができて便利です。

理由2:消すときに具合を調節できるから

消すときの調節方法は2つあります。

  • 押し当てる強さ
  • 押し当てる回数

消しゴムでも調節できるかもしれませんが、柔軟性がないので消しムラができてしまいます。

なので、消すときの濃さを柔軟に調節できるネリゴムが良いです。

理由3:消さない部分が濁らないから       

ネリゴムは消しゴムと比べて描いた線が濁りにくいです。

理由は、ネリゴムを押し当てて離せば消せるから。なので、押し当てていない周りの部分は濁りまん。

とはいえ、あまり濃くデッサンしなければ消しゴムでも画面が濁らずに制作をすすめることができるので、ネリゴムがない場合は消しゴムでもデッサンできます。

カワチ画材オリジナル・ネリゴム→画材屋さんが作ったネリゴム、硬さ選べる3タイプ

HOLBEIN ネリゴム No3(中)→画材でおなじみのホルベインのネリゴムです。画材でも大体お世話になるメーカー

伊研 ネリゴム No.30→デッサンで同じみの「木炭」。その専門メーカーが作った、収納時に他のものにくっつかないと評判のネリゴムです

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どのぐらいデッサンしたらスムーズに色が塗れるか?

どのぐらいデッサンしたらスムーズに色が塗れるか?

表現がアバウトで分かりづらいかと思いますが、下描きの段階である程度まではデッサンしましょう。

理由は、デッサンをもとに色を塗ると、のちのち迷わずに色が塗れるからです。

具体的には…

  • モチーフの輪郭
  • 光があたっている部分
  • 陰影部分      

上記のとおりです。

例えば陰影は、滑らかで繊細な陰影は描く必要ありませんが、どの辺で暗くなっていくか大体の陰影は描いておきましょう。

逆に色塗りの段階で新しくモチーフを付け足すことはなかなか難しいので、モチーフはデッサンの時に全て描いてしまったほうが色塗りの作業がスムーズです。

なので、下描きの段階である程度のデッサンをしておきましょう。


以上、油絵のときのデッサンのコツでした。

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